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九州地方における建設リサイクル推進の取り組み
坂本浩二

キーワード:九州地方における建設リサイクル推進計画2014、九州地方建設副産物対策連絡協議会、3R

1.はじめに
天然資源が極めて少ない我が国が持続可能な発展を続けていくためには、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の取り組みを充実し、廃棄物などの循環資源が有効に利用・適正処分される循環型社会を構築していくことが重要である。
こうしたなか、社会資本の維持管理面で、高度経済成長期に整備した構造物の老朽化が進み、施設の維持管理・更新により、建設副産物の発生量の増加が想定されることから、発生抑制、再資源化・縮減、再生資材の利用促進及び建設発生土の有効利用等を更に図っていく必要がある。
直近では、平成26 年9 月に「建設リサイクル推進計画2014」(以下、「全国版推進計画2014」)が策定されており、この計画を元に全国各地方において推進計画を策定し取り組んでいる。
本稿では、全国版推進計画2014 をもとに平成27 年3 月に策定した「九州地方における建設リサイクル推進計画2014」(以下、九州版推進計画2014)について、概要及び取り組み等を紹介する。

2.九州地方における建設リサイクル推進計画2014
九州版推進計画2014 は、九州地方建設副産物対策連絡協議会(以下、「本協議会」という。)の構成機関(表- 1)が実施する全ての建設工事を対象とするが、民間等の建設工事においても、本協議会及び各県等の建設副産物連絡協議会等の活動を通じ、本計画の「理解と参画」を得られ、本計画が適切に反映されることを期待している。
なお、本計画の計画期間は、平成27 年度から平成30 年度までの4 カ年である。対象品目毎の目標値を表- 2 に示す。

2.1 対象品目毎の目標値
○アスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊
  アスファルト・コンクリート塊、コンクリート塊とも平成24 年度目標値98% 以上(全国98%以上)に対し、両品目ともH24 実績値が99% 以上(全国99% 以上)であったため、現指標の再資源化率が低下しないよう、平成30 年度再資源化率目標値を99% 以上(全国99% 以上)としている。
○建設発生木材
  建設発生木材の再資源化・縮減率は、平成24年度目標値95% 以上(全国95% 以上)に対し、H24 実績値が92.1%(全国94.4%)と目標を下回ったため、全国版推進計画2014 の目標値を引き続き設定している。なお、建設発生木材の排出形態は様々であり、再資源化が困難な場合があるため、数値目標は、最終処分量を抑制するための指標である再資源化・縮減率で一元化し、平成30 年度目標値を95% 以上(全国95% 以上)としている。
○建設汚泥
  再資源化・縮減率は平成24 年度目標値82%(全国82%)に対し、H24 実績値は88.9%(全国85.0%)と目標達成していたが、他の品目に比べ再資源化・縮減率が低いため、全国版推進計画2014の目標水準を目指し、平成30 年度再資源化・縮減率の目標値を90%以上(全国90%以上)としている。
○建設混合廃棄物
 全建設廃棄物排出量に対する建設混合廃棄物排出量の割合として、建設混合廃棄物の排出率を設定し、現場分別の徹底により、建設混合廃棄物の排出割合を低下させる目標とした。また、再資源化施設における建設混合廃棄物自体の再資源化・縮減の向上を図る観点から、再資源化・縮減率も目標設定しており、H 24 実績などから平成30年度建設混合廃棄物排出率の目標値を2.5% 以下(全国3.5% 以下)、再資源化・縮減率の目標値は50% 以上(全国60% 以上)としている。
○建設廃棄物全体
 再資源化・縮減率は平成24 年度目標値95%(全国94%)に対し、H24 実績値が96.3%(全国96.0%)であったことから、平成30 年度の再資源化・縮減率は96% 以上(全国96% 以上)としている。
○建設発生土
 指標は、「建設発生土有効利用率」(建設発生土発生量に対する現場内利用および工事間利用等に適正に盛土された採石場跡地復旧や農地受入等を加えた有効利用量の割合)としており、目標値は、H 24 実績などから平成30 年度の建設発生土有効利用率78% 以上(全国80% 以上)としている。
 H 24 センサスにより、建設発生土の有効利用に関して、内陸受入地分の約1/3 は採石場跡地復旧や農地受入等へ盛土や覆土等により有効利用されていることが確認されたことから、これらも含め平成30 年度目標値を設定した。

2.2 九州における重点施策《5 項目5 施策》
九州では、市街地と都市近郊など地域差により再生砕石の需給バランスの差や再生砕石の滞留が懸念されるため、再資源化施設におけるストック状況等の把握・データ化を図り、国および地方公共団体だけでなく民間事業者も含めた建設リサイクル関係者が情報を共有することが必要である。
また、建設発生土の工事間利用の促進及び適正管理を行っていくことが必要であり、これら課題の解決のため、九州地域の重点的な取り組みとして、次の施策を実施している。
 (1)民間団体の参画も含めた県単位の建設副産物対策連絡協議会の開催の検討
 (2)産業廃棄物業界と連携した再生クラッシャ
 (3)建設発生木材の再資源化・縮減に関する更なる対応策の検討
 (4)建設混合廃棄物の排出量削減に関する更なる対応策の検討
 (5)適正な処理が確保される建設発生土受入地の登録制度の検討

2.3 継続的に取り組む施策《10 項目54 施策》
今後、更なる建設リサイクルを推進するため、中長期的な課題等を踏まえ、以下の①~⑩の10項目及び54 の施策を引き続き実施している。
①情報管理と物流管理《1 施策》、②関係者の連携強化《5 施策》、③理解と参画の推進《6 施策》、④建設リサイクル市場の育成《5 施策》、⑤技術開発等の推進《2 施策》、⑥発生抑制《4 施策》、⑦現場分別《6 施策》、⑧再資源化・縮減《20 施策》、⑨適正処理《2 施策》、⑩再使用・再生資材の利用および災害廃棄物由来の再生資材の利用など《3 施策》

3.重点施策の取り組み状況
(1)民間団体の参画も含めた県単位の建設副産物対策連絡協議会の開催の検討
九州各県の協議会組織の取組状況について、一部自治体(佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県)での民間団体を含めた協議会の設置、開催状況などの取り組み状況について、他自治体での活用に向けて情報交換を行っている。
(2)産業廃棄物業界と連携した再生クラッシャランのストック状況把握と情報提供の検討
各県の産業廃棄物協会へ、再生クラッシャランのストック状況について情報提供を要請するとともに、一部自治体(佐賀県、鹿児島県)では、情報共有の体制が構築されたことを確認している。
(3)建設発生木材の再資源化・縮減に関する更なる対応策の検討
熱エネルギーとしての回収や伐採根等のリサイクル促進のため、事例集の作成や再資源化施設への排出徹底を行うこととしている。
(4)建設混合廃棄物の排出量削減に関する更なる対応策の検討
民間も含めた現場分別の徹底が図れる仕組みづくりの検討を行うこととしている。
(5)適正な処理が確保される建設発生土受入地の登録制度の検討
一部自治体(佐賀県、長崎県、北九州市)で、取り組みが進んでおり、九州各県でもさらなる適正処理に資するよう建設発生土受入地登録制度の導入について情報交換を進めている。

4.平成28年度簡易センサスのリサイクル阻害要因調査
九州版推進計画2014 の目標達成状況の確認を行うため、公共発注工事(再生資源利用[ 促進] 実施書の作成保管が義務づけられている工事)を対象とし簡易センサスを平成28 年度に実施し、平成29 年度には簡易センサス結果におけるリサイクル率の阻害要因についてアンケート調査を行った。
その結果、直接最終処分を行っていた工事において、CREDAS/COBRIS 入力に際し、選択ミスにより最終処分として集計された建設廃棄物の各品目の再資源化率(建設発生木材、建設汚泥、建設混合廃棄物においては、再資源化・縮減率)を補正した結果、九州地区全体では、全品目が平成30年目標値を達成する結果となった(表- 3)。
このことから、建設廃棄物の平成30 年度目標値達成のために特に即効性のある対策は、COBRIS等入力時の処分方法の選択ミスをなくし実態調査の精度を高めることが重要であると確認できた。
なお、建設発生土についても、アンケート調査結果から阻害要因について確認を行ったところ、再利用先未定としていたものの実際は再利用先が決定していたり、土質改良プラントへの搬出であったりしており、当初49% の有効利用率が67% まで上昇した。しかし、平成24 年度実績の77% には達しておらず、これまでの公共工事間での利用調整・官民マッチングについて取組の強化によりさらなる有効利用を図る必要がある。

5.おわりに
平成30 年度は、建設副産物実態調査(本センサス)を全国一斉に実施するため、官民問わず工事関係者・受発注者間のご協力をもとに、より一層の建設リサイクルの推進を図って参りたい。
http://www.qsr.mlit.go.jp/kensetu_joho/index_09.html (九州地方での建設副産物情報)

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