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九州における官民女性技術者交流会
~いきいきと働き続けるためのヒントをみんなで考える~

国土交通省 九州地方整備局  
遠賀川河川事務所 技術副所長 
原田佐良子

キーワード:官民女性技術者、ライフロードマップ、いきいきと働きつづける

1.はじめに
九州地方整備局では、女性技術職員で構成する九州女性技術者の会「九WE会」を2007年度に設立し、以下の5つを目標として活動を進めている。
(※「九WE会」とは、「九州Woman Engineer」の略であるが、「We Enjoy With」の意味も含んでいる)
○いきいきと働きつづけることができる職場づくり
○九州地方整備局の魅力、技術の向上
○情報交換によるモチベーションの向上
○技術者同士の知識の向上
○技術者を目指す女性へのアドバイス
九州地方整備局の女性技術者の職員数は年々増加しており、2007年発足当時は57名だったが、2019年では109名と年々増加傾向にある。
技術系女性職員の育児休暇後の復帰割合は96.6%であり割合が増えてきていること、技術職員における女性の割合は6%とまだまだ低いが、この3年で約2倍に増えてきていることが大きな特徴である。
また、活動の中では、大学、高校等で、九州地方整備局や地域社会を支える基幹産業「建設業」の魅力を伝えたり、女性技術職員による仕事内容、やりがい等をSNSで発信を行ったりしている。
しかしながら、建設業界ではまだまだ女性技術者が少ないということで、他機関で活躍する女性技術者との連携交流を図るために、「官民女性技術者意見交換会」を企画することになった。

2.官民女性技術者交流会について
2.1 第1回意見交換会
平成30年6月8日、九州地方整備局主催で初めての「官民女性技術者による意見交換会」を開催した。参加した団体は13団体(九WE会、福岡県、福岡市、水資源機構筑後川局、日本下水道事業団、福岡北九州高速道路公社、NEXCO西日本、九州電力(株)、福岡県建設業協会、建設コンサルタンツ協会九州支部女性技術者委員会、JR九州、日本環境アセスメント協会(法人格省略))約70名で、講師として、(株)フラウ代表取締役社長濱砂圭子さんをお招きし、「働きやすい職場・環境づくり~理想の職場とは~」、「女性技術者の志望数増加のための魅力発信」をテーマに意見交換を行った。
女性技術者約70名、1班5~6名でのグループ討議で、時間内にその意見をとりまとめ、プレゼンテーションを行い、全員で共感ができる意見に投票する方式で進めた。

理想の職場については、「更衣室やトイレ、休憩室等の整備が充実」という施設整備に関する意見に加え、「言いたいことを伝えられる風通しのよいコミュニケーションがとれている」、「仕事を効率化し、プライベートの充実が図れる」、「業務をシェアできるシステムがある」といった働き方に関する意見が多く出された。また、魅力発信については、「クラウドファンティングでドラマやCMをつくる」、「橋梁、ダムの模型づくりを体感できるような取組を行う」といった理想型からすぐに実現できるような現実型の意見が出された。
参加者からは、「違う職場の女性技術者の話を聞くことができて、気づきがあった」「元気をもらった」という声が多く、「悩みは同じ」「自分だけではないことがわかった」など女性技術者が少ない中で連携の大切さを垣間見ることができた。

2.2 交流会を続けるための準備会
官民の女性技術者交流会を継続するにあたり、取組テーマをどうするかについて準備会を開催した。第1回意見交換会の参加団体のうち、国、地方自治体、企業等12団体が参加し、「交流会で何ができるか」をテーマに意見交換を行った。女性にはプライベートの転換期が多いこと、世代ごと、立場で悩みが違うこと、目指す姿も人によって違うなど意見が出された。意見を踏まえ、いきいきと働き続けていくために、世代ごとの課題、目指すテーマを見いだし、建設女子のライフロードマップ*1を作り上げることをテーマとすることに決定した。
*1ライフロードマップ:目標に対して、具体的な行動にしていくための人生の行程表

2.3 第2回交流会
準備会参加の12団体より、約50名の官民女性技術者が参加した第2回意見交換会を平成30年12月26日に開催した。コーディネーターは、引き続き濱砂圭子さんにお願いし、「建設女子のライフロードマップを作り、世代別の課題を整理し、解決策を探ろう!」をテーマに世代ごとの班別討議を行い、解決策や目標となるキーワードを発表してもらった。

世代ごとの理想では「勤務時間内に仕事を終える」「資格を取得したい」「家庭と仕事の両立」、課題では「自分の時間が持てない」「ロールモデルが少ない」なとの意見がだされた。解決策としては、多様な働き方を選択できる環境整備、家事・児の分担などの意見が出された。どの世代も、仕事・プライベートともに「時間の使い方」に関するものが多く、「わりきり」、「人に頼る」、「穏やかな生活」、「自分を磨きやりたいことを見つける」といったキーワードが出された。これは、女性技術者が日々時間との勝負の中で奮闘しながらも、仕事もプライベートもどちらも大切にしている、また、していきたいという思いが込められた結果といえる。

2.4 第3回交流会
第3回目は、令和2年1月27日に、「いきいきと働き続けるための理想のライフロードマップ作成」をテーマとして開催した。コーディネートは濱砂圭子さんで、10団体、約40名の官民女性技術者が参加した。
参加者は入社以降現在までのライフチャートを作成し、そこから見える課題と解決策について議論し、世代ごと理想とするライフロードマップを作成し、幸せを引き寄せるキャッチフレーズを考えてもらった。
第2回と同様、仕事とプライベートともに「時間がない」ことが課題であり、仕事の課題解決策は、「業務の平準化」、「男性も含めた働き方改革」などの意見がだされ、プライベートでは「健康づくり」「老後の安定した生活」を目指す意見も出された。ライフロードマップでは、結婚、出産、住宅購入、介護といったライフイベントを心と体のメンテナンスを行いながら、乗り切り、仕事では「何にでも女性初となる」といった前向き発表も行われた。

3.おわりに
今回の交流を通じて、各人が自分の夢、理想に向けて、いきいきと働き続ける上でのヒントを掴んでいただけたのではと感じているところである。女性技術者が働きやすい職場はみんなが働きやすい職場といえる。今後も、魅力ある建設業界を目指して、引き続き九州女性技術者の連携・活動を進めていきたい。
最後に、交流会を運営するにあたり、アドバイスをいただいた株式会社フラウの濱砂様、山形様、九WE会活動にご理解とご協力いただいた関係団体の皆様と、参加された女性技術者の皆様に感謝の意を表します。

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