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「見て・触れて・考える」体験施設の整備について
~実モデルを使った構造物技術研修~

国土交通省 九州地方整備局
 九州技術事務所 調査試験課 調査係長
恵 藤 英 昭

国土交通省 九州地方整備局
 九州技術事務所 技術課 技術第2係長
樋 口 充 喜

【コンクリート構造物】
1.はじめに
九州技術事務所では土木構造物の品質向上と若年層技術者の技術力向上を目的として,実モデルを使った技術研修を平成16年度末より実施しています。実施にあたっては,設計・施工・管理段階でのポイントを実際に「見て・触れて・考える」体験学習を行うことにより,工事の監督や検査技術の修得につなげており,これらの取り組みについて紹介します。

2.取り組みの現状
九州地整内の研修と九州技術事務所で行っているコンクリート基礎技術講習で1~2時間程度,実モデルを使って実施しています。
実モデルの大きさは,L型擁壁がH=2m,ボックスカルバートは内空高は2mとし、不良施工箇所の設定は以下のようにしました。

①コンクリートジャンカ
②コールドジョイント
③内部空洞
④型枠止め

3.研修内容
研修は,コンクリートの性質と鉄筋の役割や不良施工のプロセスと予防策,施工現場での留意点等をはじめ,テストハンマーでの強度・打音を実際に体験させています。

これらにより,見た目の判断としてコンクリートジャンカやコールドジョイント,型枠止めなどの不良箇所は構造上なにが問題で,なぜそうなったのか?を理解してもらうことをつうじて,「日頃から現場で気にしなかったところに問題があることに気づいた。」「実際に見ながら講義を聞いたので分かりやすかった。」などの感想や,さらに鉄筋構造の理解を深める研修として,組立時の間違いさがしや構造物へかかる荷重から主鉄筋位置の確認を行い,加工鉄筋の組立実習,スペーサーの配置や鉄筋材料確認,図面や仕様書では表現されていない作業時の留意事項などの研修を行い,「用語は知っているがその物と結び付かなかった事が理解できた。」「鉄筋結束はなかなか難しい。」「作業の大変さが分かった。」等の感想が寄せられています。

4.施設整備
今後の施設整備は,
①場所打杭モデル(鋼管杭.既製杭・ベノト)
②橋梁下部エ構造と耐震補強モデル(鋼板接着RC巻立・繊維巻立)
③圧接鉄筋モデル
④構造物施工時の諸材料(鉄筋・スペーサー・鉄筋加工用具)
の施設整備を行う予定です。
それぞれのモデルは,施工良・不良箇所が同時に見えるように作成し,箇所毎の説明を明示し,研修時だけでなく,いつでも見学できるような施設整備を行い,気軽に技術体験できるものに充実していく予定です。

5.実モデルでの研修意義
実モデルの研修は,テキスト重視よりも目視や簡単な器具・道具を使い構造物の良・否を判断させる方法を身につけ,実際に現場での作業準備(段取り)や工事の監督(指導)時に技術の目線を持ってもらい,技術者としての感覚を持ってもらうことが必要と考えています。
構造物の出来上がりの評価だけではなく,工事中の施工工程毎のポイントや安全作業への理解を深め,安全で良質長持ちする構造物を提供できるよう,この研修で技術の糸口をそれぞれの技術者がつかんでいただければと思っています。

【歩道舗装モデル】
九州技術は環境にやさしい12種類の歩道舗装モデルを展示しています!

1.歩道舗装モデル12種類を展示
九州技術事務所は,10月から構内グランドに12種類の歩道舗装モデルを展示しています。

(1)展示モデル施工の目的
地球温暖化の環境問題の深刻化と,自然環境や景観を重視する傾向の高まりや精神的な豊かさを求める国民意識の変化への対応を目的に,その対策に関わる歩道舗装モデルを展示しました。
具体的には以下の通りです
①歩道施工を発注する発注者に環境にやさしい歩道舗装の種類を知ってもらうこと。
②数種類の歩道舗装モデルを1カ所に展示することで,各歩道舗装の比較検討が可能であり,選択がしやすくなること。
③直接見て・触って,体験しながら行う研修,見学,学習を通して広く研修生,学生や地域住民に啓発できること。

(2)施工までの経緯
展示までの経過については,研修施設があり教材モデルの整備を計画的にすすめている九州技術事務所と,以前から広報のためのフィールドを探していた(社)日本道路建設業協会(以下「道建協」という)とが,産・官連携によるお互いのメリットを活かす形で実現したものです。九州技術事務所はフィールドを提供し,道建協は事業活動の一環として施工を行ったものです。

(3)モデル展示箇所
九州技術事務所構内グランドの南側と西側にL字型で配置しています。(写真ー1,図ー1参照)

舗装断面は,1工区延長10m,施工幅2mです。

2.9月29日施工見学会開催
九州技術事務所構内グランドで,9月29日「環境に優しい歩道舗装モデル施工見学会を開催しました。見学会には国土交通省の職員や地方公共団体の職員など多数の参加がありました。(写真ー2)

見学参加者は,実際に施工している状況や完成した歩道舗装路面に触れながら,各出展会社の担当者に,「どのような場所で使われているのでしょうか」「どういった効果があるのでしょうか」などの質問がありました。(写真ー3)

3.1 2種類の歩道舗装モデル
今回,施工・展示している技術は表ー1の通りです。(番号は図ー1の展示番号順)

(1)材料種別での分類
12技術の内訳
・「アスコン系」5技術
・「木質系」 3技術
・「セメント系」2技術
・「ブロック系」2技術
また,12技術を比較するための従来工法をモデルの中間地点に配置しています。

(2)環境キーワードでの分類
①透水性 8技術  ⑤揚水性   1種類
②遮熱性 5技術  ⑥リサイクル 4種類
③歩行性 3技術  ⑦景観タイプ 1種類
④保水性 4種類

4.見学会以降の状況
(1)現 状
九州技術事務所玄関入り口に,九州技術事務所へ来所された方がいつでも展示舗装が見学できるように,「歩道舗装モデル展示コーナー」をつくりパンフレット配懺しています。設置しているコーナーのパンフレットを見ながら,九州技術事務所に打合せなどで来所された方が見学されたり,建設関係の業者の方が連絡をされ直接説明を求められることもあります。
また,九州技術事務所で開催しています研修やアスファルトやコンクリートなどの6コースの技術講習会開講時に,体験施設として活用しています。
(2)今 後
今後は,引き続き「平日の常設展示」という形で行うこととし,また地域の人たちや職員への啓発を目的に展示見学会を開催し,幅広く活用していく予定です。

5.あとがき
今後「見て・触れて・考える」体験施設としてコンクリート構造物の実モデル,歩道舗装モデルの整備,充実を図り若年層技術者の技術向上に取り組む予定です。
最後に,今回の体験施設整備に御協力頂きました関係者の皆様方に感謝とお礼を申し上げます。

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