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地域に貢献するダム

(厳木ダム管理30年、竜門ダム管理15年)


谷 口 正 浩


キーワード:管理ダム、地域貢献、アニバーサリープロジェクト

1.はじめに
九州地方整備局で管理する8 ダムのうち、昭和62 年に管理開始した厳木ダム(佐賀県)は完成後30 年、平成14 年に管理開始した竜門ダム(熊本県)は完成後15 年を迎えた。厳木ダム及び竜門ダムの写真とダムの諸元については、写真- 1及び表- 1 に示すとおりである。
本稿では、ダム建設に伴い生まれ育った先祖代々の土地等を提供して頂いた方々はもとより受益地の方々など全ての皆様に感謝の思いを込めてイベントを開催した内容等について報告する。





2.厳木ダム管理30 周年イベント
2.1 開催趣旨
厳木ダムは、上流に設けられた天山ダム(九州電力㈱)との間における揚水式発電を実施している大変貴重なダムとしても注目されている事に加え、これまでに中小洪水を含め洪水調節を13 回実施している。また、平成6 年の大渇水時にはダムからの補給を実施するなど地域住民の安全で豊かな暮らしを守り続けている。
よって、これまでの安全で豊かな暮らしに感謝するとともに、これからも地域貢献を継続し管理30 年の節目として、記念イベントが開催された。


2.2 シリーズ開催
地元の水源地域ビジョン協議会・利水者協議会と密接な連携を行い、管理30 周年を記念したイベントを計画し、表- 2 のとおりシリーズ開催されている。
第一弾は、水源地域ビジョン推進協議会の活動としてダム湖畔に植樹され、地元の方々の手で育てられた梅の木(約300 本)に多くの果実が実ったため、6 月2 日に「さよの湖梅林園開放セレモニー」(写真- 2)が開催された。
第二弾は、8 月17 日に「厳木ダム、発電所等の特別見学会」(写真- 3)を開催し、第三弾は、10月15 日に地元の佐賀県唐津市広瀬地区で毎年開催されている「さよの湖(うみ) 湖水祭」に併せて記念式典が開催された。最後は、11 月19 日に「厳木町風のふるさとまつり」でパネル展を開催された。ここでは、シリーズ開催第三弾として開催された「さよの湖(うみ)湖水祭」について報告する。







2.3 さよの湖(うみ)湖水祭と広瀬浮立
例年、地元主体で開催されている「さよの湖(うみ)湖水祭」と併せて厳木ダム管理30 周年記念式典が実施され、ダム建設における用地提供者をはじめ地域の皆様、受益地域の利水関係者や建設当時の職員等、あいにくの雨にもかかわらずチラシ(写真- 4)の効果もあり約100 名が出席し、10 月15 日(日)に開催された。



湖水祭は、ダムの偉大な恩恵を後世に語り継ぐとともに、清流厳木川の安全を祈願(写真- 5)し開催されている。 開催内容は、利水者合同でのパネル展示や厳木ダム見学会(写真- 6)、地元広瀬地区の伝統芸能として佐賀県重要無形民俗文化財に指定されている「広瀬浮立」が披露された(写真- 7)。




3.竜門ダム管理15 周年イベント
3.1 開催趣旨
熊本県北部で唯一の直轄管理ダムとして、竜門ダムの多様な恩恵に今一度目を向け、ダム建設における用地提供者はもとより、受益地の方々から導水路がつなぐ上流関係地域の皆様へ感謝の思いを発信するとともに、その恩恵を広くPRし、関係者の皆様が繋がるキッカケとなることを目的に、「2017 竜門ダムフェスタ・感謝祭実行委員会」(事務局:菊池川河川事務所竜門ダム管理支所)を組織し、竜門ダムエントランス広場で7 月23日(日)に開催された(写真- 8)。



3.2 計画・準備・広報
今回の「2017 竜門ダムフェスタ・感謝祭」は、これまでの感謝の思いを込め外部委託を行わず準備を進めてきた、言わば手作りの感謝祭である。一般の方への広報等は地元NPO の方の努力のおかげにより、地元テレビ局の番組に竜門ダム職員自ら出演させて頂き、イベントの広報をすることができた(写真- 9)。また、各自治体の庁舎や公民館等へのポスター掲示や自治会を通じた回覧板の活用、各自治体ホームページへの掲載等による情報発信を行った(写真- 10)。
さらには、河川協力団体等の協力により、流域内の物産館や道の駅等にもポスターを掲示して頂いた。




3.3 イベント内容
感謝祭の式典では、用地提供者をはじめ水源地域及び受益地域の小学生や利水関係者など約120 名が参列した。また、「恵みに感謝、未来への絆」のテーマのもと竜門ダムフェスタ・感謝祭の会場では、流域の特産物を持ち寄った特産市や屋台等の出店、プールの設置、ヤマメの掴み取りやハンモック等の体験参加型イベントに多くの方々が集まり、来場者数は約1,500 名に達した。(写真- 11、写真- 12)。
また、竜門ダム本体の内部を見学できる「おなか探検」は、午前・午後の2 回開催し約690 名もの方に見学して頂いた(写真- 13)。




3.4 参加者の感想
主な参加者の感想は、「いろんな体験ができて子供も喜んでいた」、「楽しい企画をありがとうございました」といったコメントを多く頂き、約96% の方が今後また参加したいとの結果であった。さらには、「暑い中スタッフの皆さんが頑張られていて楽しいイベントをありがとう」と激励される場面もあった。


4.イベント開催の継続に向けて
準備期間中にはスタッフ会議等が開催され、綿密に連携調整を行っていたにもかかわらず、行き違い等が多かった。このため、全体の企画を含めてスケジュール感をもった対応が重要である事をあらためて認識させられた。
厳木ダムと竜門ダムで開催されたイベントでは、数少ないダム管理支所の職員が、日頃から地域の皆様との信頼関係を築いていたからこそ、多くの方々に参加して頂き、ダムを知って頂いたと考えている。今後も地域の皆様と連携しながら、水源地域の活性化のためイベントを継続して開催できるようにしていく必要がある。


5.おわりに
今回のイベントを通じて、ダムに貯留された水を利用するだけのダムや地域の方々を洪水から守るだけのダムでなく、地域から愛されるダムになって欲しいと願っている。さらには、ダムを中心として水源地域が益々活性化されることを期待したい。
最後に、今回の執筆にあたり資料提供して頂いた関係者の皆様に感謝いたします。


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