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松浦川河口付近における水辺の回廊整備について

~松浦河畔緑地“ かわまちづくり” ~


菊 永 和 久

竹 島 士 朗


キーワード:地域連携、かわまちづくり、地域活性化

1.はじめに
唐津市は九州の北西部に位置し、天然の良港唐津湾を擁し、古代から大陸地方への海上交通の拠点として港を中心に発達した歴史を有しています。近代においては石炭産業の興隆によって繁栄し、工業をはじめ多くの関連企業をも育ててきました。
この唐津市を南北に貫流し、玄界灘に注いでいるのが松浦川です。
松浦川の沿川にはJR. 筑肥線、唐津線、国道202号、203号等の基幹交通施設に加え、西九州自動車道が整備され、交通の要衝となるなど、この地域における社会・経済・文化の基礎をなしています(図-1)(写真-1)。



2.松浦川河口部の概要
松浦川河口部には、流域で最も人口が集中する唐津市街地が形成されており、松浦川の広大な水面は、歴史・文化との関わり深い唐津城と調和した景勝空間となっていることから、唐津城から松浦川河口周辺は、唐津市民や観光客に広く愛されています。
また、近隣には日本三大松原のひとつで国指定特別名勝である「虹の松原」(写真-2)があり、松浦川河口付近の海岸は玄海国定公園に指定されています。

この河口付近では、春には唐津市の天然記念物に指定されている唐津城内にある舞鶴公園の藤が満開となり、毎年多くの観光客が訪れます(写真-3)。また、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」にも選定された、佐賀県下最大規模のウォーキングイベント「唐津・虹の松原ツーデーウォーク」が行われ、名勝「虹の松原」や「唐津城」など、唐津の豊かな自然と旧跡を巡ります。夏には佐賀県最大級の花火大会「九州花火大会」(写真-4)が開催され、唐津城を背景に壮大な花火を見ることができます。秋には国の重要無形民俗文化財に指定されている「唐津くんちの曳山行事」(写真-5)が行われ、勇ましい男たちが「エンヤ、エンヤ」のかけ声とともに唐津の町を練り歩きます。
また、河口部には干潟が形成されており、ハクセンシオマネキやコアマモなど、貴重な生物たちが生息・生育する場となっており、環境学習の場として利用されております(写真-6)。



3.唐津みなとまちづくり懇話会での議論
地元地域が一体となって、みなとまちづくりのあるべき姿や唐津港の将来像について議論し、地元地域が考える基本的な方向性について素案を策定することを目的に平成16年6月に「唐津みなとまちづくり懇話会」が設立されました。
素案策定にあたっては唐津港だけではなく、唐津港を核とした背後地域との一体的なまちづくりを議論の対象とし、「唐津みなとまち」の将来像と今後の「唐津みなとまちづくり」の基本的な方向性についてとりまとめており、松浦川の河口部付近は、水辺の回廊ゾーンとして位置づけられております(図-2)(図-3)
なお、本素案は平成22年12月に策定された「唐津市都市計画マスタープラン」にも反映され、将来の都市構造を形成していく上での重要な骨組み「都市骨格」として松浦川を位置づけております。



4.松浦川河口部水辺整備検討会の設立
松浦川河口部を水辺の回廊ゾーンとして整備を推進するにあたり、唐津市街地における松浦川との関わり方を踏まえ、水辺の整備内容、利活用方策、実施体制、維持管理方法等について検討することを目的に平成26年11月26日に地域住民、NPO団体、学識経験者、漁業関係者、唐津市、国土交通省で構成される「松浦川河口部水辺整備検討会」(以下、「検討会」)を設立しました。2回の検討会を経て整備内容や利活用・維持管理計画を含めた「河口部地区かわまちづくり計画」を策定し、平成27年3月に「かわまちづくり支援制度」へ登録されました。


5.水辺整備の概要
整備箇所は、川沿いに家屋などが建ち並び護岸は老朽化が進行し管理用の通路もなく水辺に近づきにくい状況です(図-4)(写真-7)。また、河川利用時の利便性や安全性が十分に確保されておりません。

今回、護岸及び管理用通路を整備することで、治水上・河川利用上の安全性を向上するとともに、地域及び観光客の利便性の向上を図ります(図-5)。

なお、整備済み区間においては、散策路やアクセス路として利用されております(写真-8)。



6.今後の予定
引き続き検討会において、将来の利活用や維持管理を踏まえた具体的な整備内容について検討を行います。なお、整備にあたっては自然豊かな干潟への影響を最小限にとどめ、貴重な生物たちの生息・生育環境の保全に努めます。


7.おわりに
今回の整備により散策路の連続性を確保し、利活用促進及び地域活性化を図ることで河口部周辺地域のさらなる発展に寄与できるよう検討会で議論を重ね、地域住民及び観光客に喜ばれる水辺整備を進めていきます。
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