トップ  >  第58号 2016.03  >  トピックス  >  「川辺川直轄砂防事業の報告」~椎葉谷砂防堰堤の完成及び宮園砂防堰堤に着手~

「川辺川直轄砂防事業の報告」

~椎葉谷砂防堰堤の完成及び宮園砂防堰堤に着手~


原 田 隆 二


キーワード:土砂災害、土石流、砂防堰堤

1.はじめに
平成24年7月の九州北部豪雨に伴う土砂災害対策として、直轄砂防災害関連緊急事業により、球磨郡相良村の「椎葉谷砂防堰堤」及び「椎葉谷第2砂防堰堤」について、平成27年7月に一連の工事を完成させた。
また、球磨郡五木村の第2の集落である宮園地区の直接的な土砂災害防止対策として、平成27年9月より「宮園砂防堰堤」に工事着手した。
本稿では、これら3つの堰堤事業の概要について報告する。



2.椎葉谷砂防堰堤及び第2砂防堰堤の概要について
この2つの砂防堰堤は、土石流による再度災害防止を目的に、土砂災害が発生した2渓流において各々砂防堰堤を1基ずつ施工しており、土石流から住民の生命・財産を守るとともに、地域の生活道路であり、また、緊急時の避難路である村道野原椎葉線も保全する重要な役割を担う施設である。
両砂防堰堤の特徴としては、急峻な地形条件のもと、特に縦断勾配が急な当該渓流については、計画整備土砂容量を確保するに際して、砂防堰堤の袖部を地山に折り込む形で設計施工するなど工夫がなされている。また、工事期間中の出水対策として、砂防堰堤直上流部(ポケット)の掘削法面のモルタル吹付など、施工中の安全対策も十分配慮して工事が行われた。



3.宮園砂防堰堤の概要について
「宮園砂防堰堤」は、直接的な土砂災害防止対策として、土石流から宮園地区住民の生命・財産を守るとともに、五木村の基幹道路である国道445号の保全にも寄与し、物流・観光はもとより、災害時の緊急輸送路等の安全確保が図られるなど、重要な役割を果たす砂防施設である。



4.完成報告会と着工式について
平成27年8月8日に、「椎葉谷砂防堰堤及び第2砂防堰堤」の完成報告会を、地区住民の方や、相良村をはじめとする関係機関ならびに施工業者をあわせ50名の参加により開催した。
完成報告会では、相良村長からご挨拶をいただき、その中で「砂防堰堤の完成をきっかけに村民の防災意識を高める取り組みを進めていきたい」といったご発言もいただいた。また、地区住民を代表して被災当時の区長さんからも「これから安心して生活ができる」といったお礼の言葉があり、災害直後から工事中そして完成と、地域と一体となって整備ができたことを実感した。
平成27年9月12日には、五木村第2の集落である宮園地区において、地区住民の方や国会議員、県議会議員などの来賓の方、五木村をはじめとする関係機関ならびに施工業者をあわせて約100名お招きして、「宮園砂防堰堤工事着工式」を開催した。着工式の中では、五木村長から砂防堰堤の整備により地域の安全・安心の確保に向けて、一日も早く完成を願うお言葉をいただいた。本着工式の開催により、地区住民の砂防堰堤工事への関心やご理解が深まるとともに、工事期間中の地元の協力体制の確保などが図られることが期待される。
この完成報告会と着工式の開催については、地区住民のみなさまをはじめ関係機関のみなさまへ感謝の意を表す場であるとともに、土砂災害対策はハードとソフトが一体となって取り組むことが必要不可欠であることについて、共通認識を深めることができる大切な機会であることをあらためて認識した。


5.おわりに
今年度完成した「椎葉谷砂防堰堤及び第2砂防堰堤」、ならびに今年度着手した「宮園砂防堰堤」については、直接的な土石流災害の防止に寄与するハード施設としての意義を広く認識いただくとともに、警戒避難対策といったソフト対応の必要性についても、完成報告会ならびに着工式の場において、地区住民をはじめ関係機関の方に理解を深めていただいた。今後、様々な場において、砂防事業のPRに努めて参りたい。
最後に、「椎葉谷砂防堰堤及び椎葉谷第2砂防堰堤」の完成報告会、「宮園砂防堰堤」の着工式に際して、ご協力いただいた地区住民の皆様をはじめ関係機関の皆様、施工業者の皆様に感謝申し上げる。

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