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熊本天草幹線道路整備事業 松島有明道路の開通
                       熊本県 岩 本 晃 明
 
 1 はじめに
 熊本県は九州の中央に位置し、雄大な阿蘇と特色ある海岸景観やキリスト教文化の史跡が各地に残る天草といった2つの国立公園を有する自然豊かな県です。
 県の人口は、緩やかな減少傾向となっており、県土面積の3.6%にすぎない熊本市に県人口約183万人の36%強が住むという一極集中構造となっています。このことから、地域間格差の是正を解消し、県土の個性ある発展を遂げていくことが大きな課題となっています。
 本県の道路整備は、九州各県の主要都市と直線距離で100㎞圏内にある地理的条件を活かすため、地域連携軸の基礎となる高規格幹線道路網の整備に重点的に取り組んでおり、縦軸となる九州縦貫自動車道は完成していますが、横軸の九州横断自動車道延岡線、中九州横断道路、熊本天草幹線道路の整備はまだこれからの段階です。このうち、「熊本天草幹線道路」については、熊本県総合計画「パートナーシップ21くまもと」における施策の一つである熊本空港や熊本都市圏と県内の主要都市を90分で結ぶ「90分構想」を達成するため、県施行区間である、天草市本渡~宇城市三角町三角浦間(38㎞)の重点的な整備を行っています。
 

 
2 事業の背景
 天草地域は、人口およそ14万人を有する上島・下島などの島々からなり、昭和41年の天草五橋の完成で、九州本土と陸路で結ばれました。しかし、熊本市から天草市(旧本渡市)までの所要時間は現在も約2時間を要し、県内で最も移動に時間がかかる地域となっています。また、天草五橋のルートが、現在も熊本方面と天草地域を結ぶ唯一の(陸路となっており、行楽シーズンを中心に渋滞が発生し、災害時には道路が寸断されるため、交通アクセスの改善と緊急輸送路の確保が天草地域の交通の課題となっています。 
 

 
 こうした天草地域の課題を解決するために質の高い道路の整備が必要であり、地域高規格道路「熊本天草幹線道路」の延長約70㎞のうち、熊本県が整備する約38㎞において、平成3年度より、有料道路事業との合併で「松島道路(3.3㎞)」の整備を進め、平成14年に「松島有料道路」として供用しました。それに続く区間として平成10年度より「松島有明道路(10㎞)」の整備に着手し、平成19年9月8日に供用(暫定2車線)を開始したところです。
 

 
3 整備効果
 「熊本天草幹線道路」の全線(熊本市~天草市本渡間、約70km)が供用を開始した場合に次のような効果があり、天草地域の発展に大きく寄与するものと考えられます。
① 高速定時性が確保されることにより、熊本市 から天草市(中心地である旧本渡市)間の所要 時間は現在の約2時間から90分以内へ大幅に短 縮されます。
② 地域住民の生活圏の拡大や雇用機会の増加が 期待されます。
③ 地域間の交流・連携が促進され、県内外から の観光客の増加が期待されます。
④ 高速道路に準じる規格の高い道路ができるこ とで、海産物等の生産物の荷いたみの減少や輸送時間の短縮により、鮮度や品質が向上し市場 価値が高まります。
⑤ 災害時等の緊急輸送道路としての機能を発揮 します。
 

 
4 事業の概要
 「松島有明道路」は、国道324号のバイパスとして天草市有明町の上津浦ICから、平成14年に供用した「松島有料道路」の知十ICに接続する延長10㎞の自動車専用道路で、平成10年度に事業採択され、平成11年度から工事に着手しました。「松島有明道路」の計画の概要は次のとおりです。
 

松島有料道路・松島有料道路概要図

 

 
 各工事区間において、早期供用に向けた事業の推進に努めてきたところですが、本道路が通過する天草上島の北部の地形は、主に頁岩からなる細尾根の発達が特徴的であり、海岸側に向かって流れ盤の地層を形成しています。そのため、特に土工工区の整備にあたっては、掘削時に流れ盤斜面からの崩壊が頻発し、法面崩壊対策工事を断続的に行うことを余儀なくされ、掘削工事や法面対策工事における工程管理は、早期供用に向けての大きな課題となりました。
 こうした課題の克服やコスト縮減にも取り組みながら、平成19年9月8日(土)に現地にて開通式典を行い、「松島有明道路」を供用開始しました。
 「松島有明道路」の供用により、従来と比べて熊本市~天草市本渡間の所要時間は約6分、距離にして2.6㎞の短縮効果があり、平成14年に供用した「松島有料道路」を含めると、約12分の時間短縮が見込まれます。
 

開通式典(平成19年9月8日)

供用後の状況(~須子大橋~須子トンネル)

 
 5 おわりに
 「松島有明道路」に続いて整備を進める区間として、平成18年3月に九州本島と天草を結ぶ、「新天門橋」を含む「大矢野バイパス(約3㎞)」が整備区間に指定され、現在、調査設計等を行っており、工事着手に向けた動きを進めています。
 また、国土交通省施行区間(熊本市近見町~宇城市三角町三角浦、延長32㎞)の整備区間においては、「熊本宇土道路(約4㎞)」が着工されるなど、鋭意整備が進められています。
 天草地域の特性を活かした魅力ある元気な地域づくりや農村漁村と都市との交流・連携を進めるためには「熊本天草幹線道路」の整備は必要不可欠なものであるため、今後も本道路の重点的な整備を進めていきたいと考えています。
 

リップルランド海水浴場(上津浦ICに隣接)

上津浦IC付近)

楠甫大橋

現道の混雑状況(松島有明道路の供用前)

 
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