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電子入札について

国土交通省 九州地方整備局
 企画部 技術管理課長
沖 田  学

国土交通省 九州地方整備局
 企画部 技術管理課長補佐
後 田  徹

1 はじめに
国土交通省では,平成13年10月より一部の直轄事業(工事および建設コンサルタント業務)の入札を電子入札システムにより実施しています。
電子入札は,インターネットを用いて,競争参加資格の確認申請,確認結果の受理,応札,応札結果の受理,再入札までの一連の作業を行うことができるシステムです。
参加条件を満たす者が誰でも容易に入札に参加することができます。また,入札に参加するための移動回数が大幅に減少するとともに,書類作成などの業務の効率化が期待されます。

2 電子入札の開始
電子入札は,平成13年10月1日より国土交通省の直轄工事および業務について開始されます。
平成13年度の案件は100件で,現在予定されているものは,一般競争入札方式による建設工事36件,公募型指名競争入札方式による建設工事61件,建設コンサルタント業務2件の100件です。なお,今回の電子入札においては,従来どおりの紙による入札も受け付けます。

3 電子入札の特徴
電子入札が実現すると,受注希望者は,自社にいながらインターネットを介して入札を行うことが出来るようになり,次のような効果が見込まれます。
(1)競争性の確保,受注機会の拡大
・情報が入手しやすくなり,競争性が量的に増加します。
・多彩な技術提案を得やすくなり,競争性が質的に向上します。
(2)建設コスト縮減
・(1)の結果,落札額の低下が期待されます。
・競争参加者の人件費,移動コストが減少し,建設コストの縮減が図れます。
(3)事務の効率化
・自動処理が可能となり,重複記入等の事務負担が軽減されます。
(4)その他
・紙資源や,人・物の移動によるエネルギー消費が軽減されます。

4 入札手続きにおける電子入札
一般競争入札手続きにおける電子入札の範囲を図ー2に示す。公募型競争入札等においては,これに指名通知等の項目が加わることになります。

5 電子入札準備の手続きフロー

6 機器・ソフトウェアについて
(1)ハードウェア
① 機器構成

(2)ソフトウェア

7 電子入札の今後計画
電子入札の今後の計画は,
・2001年10月からは,100件
・2002年度は,2,000件
・2003年度は,10,000件
・2004年度は,44,000件と順次件数を拡大して全案件での実施を予定しています。なお,2004年度を2003年度へと前倒しすることで検討しています。

8 九州地方整備局における平成13年度電子入札(予定)対象案件一覧表
(1)一般競争入札方式による建設工事

(2)公募型指名競争入札方式による建設工事

9.関連事項
(1)電子入札コアシステム開発コンソーシアムについて
① 設立の趣旨
国土交通省では2001年6月に「CALS/EC地方展開アクションプログラム(全国版)」を策定し,2010年までに全国の地方公共団体においてCALS/ECを混乱なく導入することができるようにするため,タイムスケジュールの目安と,それを可能にするために国土交通省および公益法人による技術支援等について具体的な行動計画を明示しています。
㈶日本建設情報総合センター(以下「JACIC」という),㈶港湾空港建設技術サービスセンター(以下「SCOPE」という)では,上記「CALS/EC地方展開アクションプログラム(全国版)」の趣旨に則り,地方公共団体等の公共発注機関での円滑な電子入札システムの導入を支援するため,ITベンダーの参加による「電子入札コアシステム関発コンソーシアム」を設立しました。

② コアシステムの概要

コアシステムとは,複数の公共発注機関に適用可能な汎用性の高い電子入札システムのコア部分をいいます。このコアシステムは国土交通省から無償提供される国土交通省電子入札システムをベースとし,コンソーシアム方式で開発されます。コンソーシアムでは公共発注機関のニーズを吸い上げ,コンソーシアムに参加するITベンダーに知識や人員,運営資金などの面で協力していただき,コアシステムの仕様を決定します。JACICとSCOPEは,このコンソーシアムを運営するとともに当該仕様に基づくコアシステムの開発を行います。電子入札の導入を行う公共発注機関においては,このコアシステムを購入いただき,ITベンダーの協力を得て,それぞれのニーズにあった個別の電子入札システムのインターフェースを開発,利用していただくことになります。その際,参加ITベンダーのコンソーシアム参加実績がその開発に役立つものと期待されます。

③ コアシステムのメリット
コアシステムを開発することにより公共発注機関,参加ITベンダー,受注者の各々に以下のようなメリットが期待されます。
・公共発注機関
コアシステムをカスタマイズして,電子入札システムを構築することにより,独自に関発するより大幅なコスト縮減が図られ,導入促進が期待できる。
・参加ITベンダー
電子入札コアシステムの仕様に参加ITベンダーの意向が反映され,公共発注機関からのカスタマイズ業務の実施が容易になる。
・受注者
多数の電子入札システムが乱立することによる応礼業務の混乱を回避することが出来る。

(2)電子入札施設管理センター(e-BISCセンター)
㈶日本建設情報総合センター(JACIC)では電子入札に関して国土交通省の円滑な業務を支援するために,平成13年4月に電子入札施設管理センター(e-BISCセンター:Electr
-onic Bid Server Control Center)を設置し,主に次のような業務を行っています。
① 電子入札システムの一元管理
稼働状況の管理,バックアップ維持管理,障害対応,定期的な点検等を行い,電子入札システムが円滑に作動するように一元管理を行います。
② e-BISCセンターヘルプデスクによる問い合わせ対応
電子入札システムを利用する際の操作に関わる内容,接続確認,事前準備等について,電話・FAX・e-mailでの問い合わせに対応します。

(3)電子認証
電子入札では,インターネットを通じて,互いに顔の見えない状態で入札を行うため,通信の相手が「確かに本人である」ことを確認する必要が有ります。
そのため,電子的な本人確認として「電子認証書」を用います。国土交通省における電子入札に参加するためには,電子認証局に申請を行い,認証を受ける必要があります。(具体的にはICカードを取得)
平成13年度及び14年度の電子認証については「帝国データバンク」が行っていますが,将来的には発注者側の認証をGPKI(政府認証基盤)で,受注者側の認証は複数の認証局のうち任意の局で行うこととなります。

10 おわりに
公共事業における情報化の推進は,事業の円滑で効率的な執行を通じ,公共工事の品質の確保・向上とコスト縮減を図るための有力な手段である。これらを推進するためには,国土交通省のみならず地方公共団体や建設業界の取り組みが非常に重要であると思われるので今後とも関係各位のご協力をお願いしたいと思います。

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