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私にとってのいい加減
長崎県 土木部 
 新幹線事業対策室
主任技師
末 吉 奈 菜


「いい加減起きて!早く準備して!お母さん仕事に間に合わないよ!」毎朝のように叫んでいる私の台詞です。他にも、子ども達の喧嘩がおさまらないと「どっちもいい加減にしなさいよ!」とか、タブレットで動画を見続ける子ども達に「いい加減、動画見るのやめてよ」とか、気づくと毎日『いい加減』という言葉を多発しながら怒っている私がいます。
私には3人(小学校低学年の子が1人と未就学児の子が2人)の子がいますが、1年ほど前に夫が県外に単身赴任となり、さらに慌ただしい毎日となりました。怒ることも多くなり、子が寝静まった後に、「今日も怒りすぎたかな」「あの時は違う言葉を掛ければよかったのかな」と自省する日もあります。でも、また翌日には怒っているのですが…。
そんな中、ふと目にした生活情報雑誌の中に「この家事やめました。こうすることが、私のいい(良い)加減なんです。」という記事がありました。毎日怒りながら『いい加減』という言葉を使ってるけれど、私にとっての『いい(良い)加減』って何だろうなと思ったんです。
家庭のことでは、家事は最小限しかしないことでしょうか。家電にできることは任せて、部屋が散らかってても別にいいやと割り切ることが今の私にはちょうどいいです。知人に洗濯乾燥機と食洗機は必須!という話しをしていたとき、「洗濯物くらい干したら?」「食器洗いとかすぐ終わるじゃない」と言われたこともありますが、夜に洗濯機を回したまま干す前に寝落ちした翌朝の絶望感、朝からバタバタで出発して帰宅した時の台所の悲惨さときたら…。もし、ご家族から便利家電の購入打診があったら、一蹴せずに検討してあげてください。笑
仕事のことでは、フレックスタイム制度を使わせてもらい、退庁時間を変動しながら仕事に取り組ませていただいており、それが良い加減となっています。幸い実家が頼れる距離にあり、学童や保育園などの迎えがお願いできる曜日は少し退庁時間を延ばしたり、他の曜日の退庁時間を早めたりさせてもらっています。おかげで保育園の迎えに間に合うかどうかギリギリ…ということが減りました。育児をしながら限られた時間の中で、よりよい仕事ができるよう工夫はしていますが、正直、妊娠・出産・育児で、同世代より経験不足だったり、周りに迷惑かけて申し訳ない気持ちだったり、引け目を感じてしまうことは多々あります。まだまだ女性が少ない業種ですが、これからは、男性も育休をという時代になってくるでしょうし、女性も増えてくれば出産・育児をする人も増えてくると思います。そのときに、経験した1人の先輩として、話しを聞いてあげられる存在になれたらいいなと、そんなことを思っています。最後に、今は九州新幹線西九州ルートに係わる部署にいるのですが、一番手のかかる息子が、「お母さん、新幹線はあと2年たったら来るとよね?」「楽しみだね!来たら乗りに行こうね!」と励みになる嬉しい言葉をかけてくれます。県は事業主体ではないですが、新幹線工事の全盛期に今の仕事に携われたこと嬉しく思います。また、学生時代に興味をもった土木の世界でこうして仕事を続けていられるのも嬉しい限りです。これからも私にとっての『いい(良い)加減』を探りながら、仕事のことも家庭のことも取り組んでいきたいと思います。

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