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福岡県営猪野ダム完成(竣工式 平成10年12月4日)

猪野ダムは,多々良川水系猪野川の福岡県糟屋郡久山町猪野地先に多目的ダムとして建設されたものである。多々良川総合開発の一環をなすものであり,総事業費313億円でこのほど完成した。
同ダムは,重力式コンクリートダムとして高さ79.9m,総貯水量511万m3,有効貯水量491万m3であり,洪水調節,流水の正常な機能維持および水道用水の供給を目的として,昭和54年に実施調査を開始し,昭和60年度から建設に移行していたダムである。
ダム本体工事は咋年4月に完了し,付属施設の完成をまって試験湛水を開始し,このたび平成10年12月4日,現地で竣工式が行われた。現在,総貯水墨の71%まで湛水が進行しており,来年夏以降にも供用開始される見込みにある。
福岡市が水源とするダムのなかでは,3番目の規模をもつもので,同ダムの有効貯水容量の約63%310万m3が水道水の容最とされており,福岡市は同ダムの完成により,1日最大33,500m3の取水が可能となる。これは福岡市の1日の水道使用量の凡そ1割弱に相当する規模である。
これまで,昭和48年7月,同54年6月と度々の人的被害を含む災害から,河川改修工事による早期治水対策が要請されていたが,引堤等による全面改修が困難であることから鳴渕ダムおよび上流ダムによる調節を含む改修竣工計画が策定されて今日に至っていたものであり,本ダムの完成を契機として洪水防御が一段と促進されることが期待されている。
竣功式において麻生渡福岡県知事は「下流域を洪水から守るとともに,生活用水の需用が年々増加する福岡市の重要な水がめとなる」と挨拶した。
 (福岡県土木部河川開発課提供)

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