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「沖縄県におけるインフラストック効果」について
伊禮年男

キーワード:新石垣空港、那覇クルーズ船ターミナル、国際通り整備

1.はじめに
沖縄県は、平成24年度制定の沖縄21ビジョン基本計画に基づき、「沖縄らしい優しい社会の構築」と「強くしなやかな自立型経済の構築」を基軸として各施策を展開し、社会資本の整備に取り組んでいる。
特に、世界を結ぶ架け橋として、アジア地域とともに発展する基盤となる空港、港湾、陸上交通ネットワークの整備を推進している。

2.新石垣空港の整備
新石垣空港は、沖縄本島の南西約470㎞に位置する石垣島に建設された。
これまでの1,500mから2,000mへ滑走路を延長し、平成25年3月に「南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港」として開港した。
これにより、新たに中型ジェット機の就航が可能になり、これまで就航できなかった石垣島から羽田空港への直行便や台湾への定期便の就航が実現した。
これら就航機材の大型化や便数の増加により、航空便利用の入域客数が開港前の1.5倍の131万人(平成26年)と増加し、うち観光客数も1.6倍の112万人と増加した。
八重山圏域の観光収入も1.5倍の653億円(平成26年)と増加した。
現在、国際線ターミナルビルの拡張を進めており、今後は国際線の路線数、旅客数の更なる増加や国内線を含めた航空ネットワークの強化により利用客数の増加を目指す。

3.那覇クルーズターミナルの整備
那覇港は、沖縄の海の玄関口として発展してきた重要港湾であり、4つのふ頭で供用されている。そのうち、クルーズ船対応として、平成21年に泊ふ頭地区8号岸壁(若狭バース)が暫定的に供用を開始し、その後、平成26年にターミナルビル、平成27年にボーディングブリッジも供用され、現在も岸壁の拡張整備が進められている。
これらの整備により、平成26年のクルーズ船寄港実績は全国4位であり、平成26年の寄港回数80回に対し平成27年寄港回数115回を予定し、前年1.4倍と着実に増加している。
また、寄港するクルーズ船の大型化が進んでおり、平成27年はアジア最大級の「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」(16万トン級、定員約4千人)の寄港が7回予定されている。
平成27年の国の調査によるとクァンタム・オブ・ザ・シーズ1隻あたりの経済効果は、約6.3億円と発表された。

近年、那覇港へのクルーズ船の寄港が急激に増加しており、那覇港での受入が厳しい状況となっている。そのため、中長期的な対応として那覇港における第2クルーズ船バースの整備に向けて、検討を進めている。
また、国内クルーズを含む多様な規模のクルーズ船への効率的な対応、観光地の分散化等を図る観点から、那覇港以外の港湾(本部港、中城湾港、石垣港、平良港)におけるクルーズ船受入を推進していく。

4.国際通りの整備
国際通りは、那覇市の県庁北口交差点から安里三叉路までの約1.6㎞の通りの名称であり、戦後の焼け野原からめざましい発展を遂げたことから「奇跡の1マイル」と呼ばれている。
中心市街地にある国際通り線の平成11年度から平成25年度までシンボルロード整備事業として、歩道の拡幅、バリアフリー化、電線類地中化、ポケットパーク及びベンチなどの整備を実施した。
これにより、すっきりした景観で歩きやすい国際通りに生まれ変わり、来訪者を魅了するイベントが多く開催されるようになっている。
・毎週日曜日:トランジットモールの実施
・  8月:一万人のエイサー踊り隊
・ 10 月:那覇大綱挽まつりパレード
・ 11 月:首里城祭:琉球絵巻行列
・  3月:沖縄国際映画祭レッドカーペット

整備前に比べて、那覇市における観光客数は1.4倍の625万人に増加し、宿泊収用人数も同様に増加している。

外国人観光客実態調査によると、クルーズ船利用客は、沖縄本島で一番よかったところ及び買い物をしたところで「国際通り」が最も多くなっており、空路客でも買い物をしたところで2位となっている。

5.終わりに
以上、これまで整備してきた代表的な空港、港湾、街路についてのストック効果を紹介した。
引き続き、沖縄の暮らしや経済、安全・安心を支える社会資本整備として、那覇空港滑走路増設事業の促進や幹線道路ネットワークの整備、沖縄都市モノレール延長事業と併せた交通結節点の整備(関連交通広場、沖縄自動車道に接続するインターチェンジやパーク&ライド駐車場など)による広域交通ネットワークの強化を重点的に進め、社会資本の整備効果を最大限に発揮できるよう取り組んでいる。

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