一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        
次の世代への架け橋として
国土交通省 大臣官房 技術調査課長
石原康弘
九州技報発刊30 周年おめでとうございます。創刊時の巻頭言において、当時の建設省技術調査室長であった豊田高司氏は、時代を「第二の産業革命期」とし、「技術革新が急速に発展する今日の社会にあって、これらに的確に対応するためには情報収集とその活用が急務とされており」、本誌の発行は時宜を得たものと述べています。
以来30 年が経ち、現代は「第4 次産業革命」。ICT やIoT といった情報技術の発展、高速化により、様々なモノがネットワークで繋がり、ビッグデータとして情報が収集・発信される中で、国境や業界の垣根を越えて、価値の多様化、生産の効率化等が飛躍的に進展する時代となってきました。政府も、2016年1 月に閣議決定した「第5 次科学技術基本計画」の中で、「ICT を最大限に活用し(中略)人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来社会の姿として共有」する「Society5.0」を世界に先駆けて強力に推進していくこととしています。
翻ってみますと、我が国の建設業界は、少子高齢化及びこれに伴う厳しい財政状況等から、長年にわたり建設投資が大幅に減少し、ここ数年は持ち直しを見せているものの、ピーク時の6 割に満たない状況です。加えて、建設産業に従事する就業者数も同様の傾向を見せており、特に建設現場を担う技能労働者の高齢化が顕著な状況となっています。このままでは近い将来、社会資本の整備、維持管理や災害時の復旧、復興に際して建設現場の生産性確保が危惧されています。
国土交通省においては、2016 年を「生産性革命元年」と位置付け、全省を挙げて生産性革命に取り組んでいます。そのうち、建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」においては、IT 機器を実装した建設機械等による土工(ICT 土工)の実施、現場打ちコンクリート工規格の標準化、債務を活用した年度を跨ぐ工期設定等による施工時期の平準化をトップランナーとして取り組んできました。同年9月には、第1 回「未来投資会議」において、安倍首相より「建設現場の生産性を2025 年までに20%向上」を目指すと指示があり、今後、2019 年までに橋梁・トンネル・ダムや維持管理分野等への適用拡大、3 次元データを流通させることによる建設生産・管理システムの効率化等を図ることとしております。また、これにより3K(きつい、危険、給料が安い)といわれる労働環境を改善し、若者をはじめ多くの人材を呼び込むことによっても生産性の確保が図られるものと期待されます。
偶然にも、私も社会人となって30 年の月日が経ち、本誌と同じ齢を重ねてきました。この30 年の間を見ても、社会資本に関する環境は大きく変化していますが、我が国が未来に向けて、引き続き世界経済を牽引し、豊かな生活を享受するためには、その整備、維持管理、改造更新は不可欠なものであり、今、この時期こそ、次の世代に繋げる制度や市場環境等を設計、整備し、生産性確保に産学官挙げて取り組まなければならないと考えます。関係各位の方々とともに「次の世代への架け橋として」の役割を果たしていきたいと思います。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧