一般社団法人

九州地方計画協会

  • 文字サイズ
  • 背景色

一般社団法人

九州地方計画協会

  •                                        
中央地区オープンカフェ等社会実験による新しい道路空間の活用

国土交通省 九州地方整備局
 鹿児島国道事務所 管理第一課長
河 野  久

国土交通省 九州地方整備局
 鹿児島国道事務所 管理第一課 専門員
黒 瀬 真 治

1.社会実験の目的
鹿児島市天文館地区は中心市街地として賑わってきたが,平成16年3月に新幹線が開業,その鹿児島中央駅に隣接して大型商業施設がオープンし,来街者の流出が懸念された。そのため,天文館中央地区の「賑わいの創出」に向け,道路空間においてオープンカフェ・イベント等を試行し,今後継続的に実施するための仕組みを構築するため,本実験を実施した。具体的には,地域・TMO,行政が連携して継続的な道路使用・占用許可等の仕組みの構築,また,道路活用による様々な収益方法を確認するとともにその収益の一部を道路マネジメントに活用する仕組みを構築することを目的とする。
なお,本実験は平成16年度と平成17年度に実施しているが,平成17年度については実験結果についての検証が終了していないため,主に平成16年度実施内容について紹介する。

2.平成16年度の取り組み
2.1 実験内容
実施主体:天文館中央地区アメニティ空間づくり運営委員会
実施機関:(委託団体)中央地区商店街振興組合連合会(中振連)
実験実施地区:鹿児島市天文館中央地区(国道225号沿いその他)
実験期間:平成16年9月4日(土)~11月7日(日)(土日祝日のみ 計24日間)

主な実施項目:
・オープンカフェ・ワゴンセール,イベント(ぴらも一る)
中央通行部に60席分のオープンカフェと路上販売のワゴンセール用の店舗を9箇所に設置。出店料を徴収。また,路上コンサートを実施(一般公募)

・アートギャラリー(照国表参道)
アーケード支柱24本に郷土の歴史を紹介したアートパネルを設置。

・花いっぱい(にぎわい通り)
アーケード天井部よりフラワーバスケットを吊り下げ装飾。

・道路清掃,情報ステーション,トイレ無料貸し出し等(3通り)

2.2 社会実験に対する評価
本実験の検証材料とするため,歩行者通行量調査,来街者ヒアリング調査商業者アンケート調査を実施した。
来街者や商店主からみた取り組みへの評価は高く(図ー1,2),また,歩行者通行量も事前調査に比べると1.1~1.2倍の増加(図ー3),来街者の滞在時間も平均30分増加し(図ー4),来街者・商店主ともに継続的な実施の要望が高かった。ただし,各商店の売上向上に対しては,変化なしの意見が約7割を占め評価が低かった。(図ー5)

上記調査結果より次のような評価が導かれる。民官協働(道路活用)の有効性については,来街者・商店主からの評価は高く,また,各種許可申請時に円滑に事業を進める上で有効である。また,複数の商店街での取り組みは高い相乗効果があり,新たな街づくりを行う上で非常に有効である。

2.3 今後の取り組み
2.3.1 課題と対応方針
【課題】
①民官協働の道路活用について,取り組みへの評価は高いものの,来街者のニーズの取り込みや商店とのコンセンサスが不十分であり。また,限られた商店街だけで長期間にわたる取り組みは,人員面や経済的に難しい。
②オープンカフェやワゴンセールでは,商店街の商店と競合する可能性がある。
③来街者の増加や回遊性の増加が,各商店の売上向上に直結できていない。
④今回,収益還元の方策としてワゴン等の出店に対して出店料を徴収したが,それだけでは,運営経費が賄えず,また,採算に乗らない店舗が見られた。

【対応策】
①については,来街者のニーズや各商店の意見を取り込み,継続実施のための組織強化と連携が必要である。行政においては,現在の単発・個別の許可となっている道路使用・占用許可等を,継続して得るための統一した基準づくりが必要である。
②については,出店者の選考時に商店街の不足業種や競合状況を加味するなどの方策の検討が必要である。
③については,オープンカフェ等の実施に合わせて各商店の収益増大に向けた自助努力(能動的姿勢)を活用することにより,にぎわい創出の相乗効果が期待できる。
④については,新たな収益創出方法を含めた収益還元システムの検討が必要である。

2.3.2 今後の取り組み
にぎわいづくりやイメージアップなどについては高い評価が得られたことから,現在の運営委員会を軸に体制を強化し,引き続き有効性・公益性の高い道路活用方策について,実施・協議を継続する。
また,既存の商業行為を阻害しない新たな収益方策を検討するとともに,公益性を創出する目的から,各種取り組みにより得た収益の一部を道路環境整備(道路清掃等)に還元する仕組みを構築する。

3.平成17年度の取り組み
実施期間:平成17年10月22日(土)~11月20日(日)(平日も含め30日間連続開催)
実施箇所については,にぎわい通りが中町コア・モールに変更になり,中央公園横を追加した。
実施内容はオープンカフェ,ワゴンセール,道路清掃等に加えて,小学生を対象にしたスケッチ大会やNPO団体による子育て支援事業を実施した。
平成16年度の問題点や課題を踏まえ,本格実施に向けて,平日を含めた連続開催をおこなった。今後実験結果について平成16年度同様に検証をおこない,平成18年度以降の継続実施につなげていきたい。

上の記事には似た記事があります

すべて表示

カテゴリ一覧