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五ケ山ダム定礎式及び進捗状況について
真崎達也

キーワード:五ケ山ダム、巡航RCD、定礎式

1.はじめに
五ケ山ダムは、福岡県と佐賀県の県境の脊振山に端を発し博多湾に注ぐ二級河川那珂川に福岡県が建設を進めている堤高102.5m、堤頂長556.0m、総貯水容量は4,020 万m3の、完成すれば県内最大となる多目的ダムです。その位置図を図-1.1、完成予想図を図-1.2、ダム及び貯水池諸元を表-1.1に示します。

那珂川流域は福岡市・春日市・那珂川町及び佐賀県吉野ヶ里町の2 市2 町からなっており、人口・資産の集中している福岡都市圏を貫流しています。この流域ではたびたび洪水被害に悩まされ、近年にも平成11、15、21 年に家屋浸水などの深刻な洪水被害が発生しています。平成21 年における那珂川町役場周辺の洪水被害状況を写真-1.1に示します。その反面、渇水被害もたびたび発生し、特に昭和53 年には287 日間、平成6年には295 日間にも及ぶ給水制限が発生しています。昭和53 年渇水時における、五ケ山ダムの下流に位置する県管理の南畑ダム(多目的ダム)の貯水池の状況を写真-1.2に示します。このように、那珂川流域では度重なる洪水被害と渇水被害が生じており、当ダムの早期完成が強く望まれています。

そこで、当ダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、水道用水と併せ、異常渇水に対する渇水対策機能も有しているのが特徴です。
五ケ山ダムは嘉瀬川ダム(国土交通省九州地方整備局)、湯西川ダム(国土交通省関東地方整備
局)、津軽ダム(国土交通省東北地方整備局)に次いで4 例目、補助ダムとしては国内初の適用事例となる巡航RCD工法を採用しています。当ダムは堤体積約93万m3に対して堤内構造物が比較的少ないことも特徴であり、低標高から巡航RCD工法で打設することで施工の高速化と施工性・安全性の向上が発揮され、予定工期内でのダム完成が確実なものになると期待しています。

2.五ケ山ダム事業の経緯
五ケ山ダム事業のこれまでの主な経緯を表-2.1に示します。

3.進捗状況
堤体建設工事につきましては平成26 年2 月より打設を開始し、10 月末時点で約35万m3、全体の約37%を打設しています。付替道路工事や管理設備工事、周辺整備工事などにおいても平成29 年度中の事業完成に向け順調に進捗しているところです。平成26 年10 月末の打設状況及び原石山の状況、並びに付替県道橋である倉谷大橋の施工状況を写真-3.1~3.4に示します。

4.五ケ山ダム定礎式
五ケ山ダム定礎式が平成26 年8 月9 日(土)にミリカローデン那珂川にて挙行され、国土交通省をはじめ国会議員、県議会議員、地元地権者ら関係者約150 名が集まり、工事の安全とダムの永久堅固を祈念しました。
式典では、まず主催者である福岡県の小川知事が式辞を述べ、出席された来賓の方々から祝辞をいただいた後、五ケ山ダム建設事務所の鴨打所長が事業計画の概要説明を行いました。続いて、五ケ山ダム建設事務所職員と、堤体建設工事を担う鹿島・飛島・松本特定建設工事共同企業体、骨材製造工事を担う大成・安藤ハザマ・松尾特定建設工事共同企業体の職員によって、重さ185kg の礎石が搬入され、来賓の方々などによって鎮定(ちんてい)の儀、齋鏝(いみごて)の儀、齋槌(いみつち)の儀が執り行われました。その後、くす玉開披が行われ、最後は参加者全員で万歳三唱を行い、定礎を祝いました。
また、この日は「和太鼓葉隠(はがくれ)」による太鼓の演奏も行われ、式典に華を添えました。

5.おわりに
那珂川の上流域には筑紫耶馬渓という景勝地に代表される豊かな自然があり(写真-5.1)、中流域には住宅地が広がり人口が増加傾向にあるなど発展を続けており、下流域にはオフィスビルや百貨店などが建ち並ぶ天神が位置するとともに西日本屈指の歓楽街である中洲があり昼夜賑わいを見せています(写真-5.2)。このような自然や人命・財産、人びとのよりよい暮らしを守るため、そして地域の方々に親しまれ地域活性化に貢献するダムとなるよう、平成29年度末の完成に向け引き続き職員一同業務に鋭意取り組んでまいります。

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