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第16回九州「川」のワークショップin 遠賀川
阿部成二
中島忠

キーワード:流域連携、人材育成、ワークショップ

1. はじめに
九州「川」のワークショップは、河川流域で活動している団体・学校・行政・企業などが一堂に会し、活動発表・意見交換や情報共有を行い、よりよい水環境を育むとともに防災意識の向上をみんなで検討し、あわせて次世代を担う人材の育成と流域連携の促進を目指すことを目的として、毎年九州各地(各河川)で開催されている。
本稿では、平成28 年11 月12 日~ 13 日に黒崎ひびしんホールで開催された、第16 回九州「川」のワークショップin 遠賀川について、準備から当日までの状況について報告する。

2.前回開催地(諫早市)との引き継ぎ
前回開催地である諫早市の第15 回九州「川」のワークショップin 本明川の実行委員会(長崎よか川交流会、長崎河川国道事務所)と3 月23日に引き継ぎを行った。
引き継ぎでは、第15 回の開催状況をはじめ、実施時の課題( 注意点) など詳しい説明を受け、有意義な意見交換ができ、この引き継ぎを受けて、第16 回九州「川」のワークショップin 遠賀川が始動した。

3.実行委員会(発足・構成・運営)
九州「川」のワークショップは、従来より実行委員会を設立し、ワークショップの企画ならびに運営を行っている。
実行委員会は、開催地の住民団体及び国土交通省の他、福岡県、北九州市の河川担当部署で構成される。

①実行委員会の発足に向けた調整
今回、実行委員会を組織するにあたり、遠賀川流域の約80 の住民団体を代表して、遠賀川流域で河川協力団体に指定されている4 つの団体を中心として、実行委員会発足に向け、調整を行った。
②実行委員会の発足
4 つの河川協力団体を含む9 つの住民団体より21 名と行政(国、県、市)の12 名からなる実行委員会を発足した。

③実行委員会の運営
・実行委員長には、開催地の北九州市で活動する「笹尾川水辺の樂校運営協議会」会長の松尾一四氏が選出され、第16 回九州「川」のワークショップin遠賀川実行委員会が動き出した。

④実行委員会の開催
■第1 回実行委員会開催(H28 年6 月8 日)
・実行委員長、副委員長、事務局長選出
・開催日時、開催場所( 会場) の決定 など

■第2 回実行委員会開催(H28 年7 月6 日)
・大会名、キャッチフレーズ・テーマの決定
・募集チラシ( 応募要領) の検討
・後援依頼を行う機関の検討 など
■第3 回実行委員会開催(H28 年8 月3 日)
・後援機関( 流域内20 市町村、北九州市記者クラブに所属するマスコミ13 社、流域内の大学5 校) の報告
・募集チラシ( 応募要領) の決定 など
◆参加者募集の開始(H28 年8 月8 日)
・九州地方整備局遠賀川河川事務所HPに募集チラシ(募集要領)、応募申込書、宿泊先情報をアップ並びに後援機関や関係機関へ募集チラシを配布。

■第4 回実行委員会開催(H28 年9 月5 日)
・協賛企業への依頼方法の決定
・役割分担など当日の運営に関する検討
・交流会での余興(遠賀川の歌を交流会参加者全員で合唱、炭坑節を交流会参加者全員で踊る)の決定と練習
■第5 回実行委員会開催(H28 年10 月12 日)
・発表者の申込み及び協賛企業の状況報告
・役割分担など当日の運営に関する検討
・交流会での余興の練習

■第6 回実行委員会開催(H28 年11 月4 日)
・会場の下見を兼ね、黒崎ひびしんホールで開催
・役割分担や運営に関する事項の確定

4.流域内団体への情報提供
各出張所で月に1 回程度開催されている「交流会」において、実行委員会での決定事項などの情報提供を行うことにより、流域内の多くの団体へ情報を発信した。

5.SNSでの情報発信
第15 回実行委員( 諫早) より引き継いだFacebook ページを活用し、事前情報・流域の紹介などを含め様々な情報を発信した。
実行委員(行政・市民団体)のメンバーが管理者となり、発信が必要と思われる情報を自由(時間や内容など)に投稿することで、多くの情報を発信することが出来た。
・発信数(7/25 ~ 12/28):158
・リーチ数(延べ):40,946
・いいね(延べ):895

6.ワークショップ開催の概要
第16 回九州「川」のワークショップin 遠賀川開催状況は、以下のとおりで、ワークショップ並びに交流会の参加者が過去最高となるなど、大盛況であった。

■参加者(1 日目) が約430 名で過去最大
・二日間のべ約700 名も過去最大!

■オープニング
・北九州市消防音楽隊による演奏・演技でオープニングを盛り上げていただいた。

■発表団体は、九州全県及び茨城県から47 団体が参加
・大人の部【39】、子どもの部【8】(中学生以下)
・福岡【20】、佐賀【3】、長崎【6】、熊本【3】、大分【7】、宮崎【4】、鹿児島【3】、茨城【1】
・小学校、中学校、高校、大学、企業、市民団体と様々な団体が参加
 【 】:参加団体数

■協賛企業(20 社)
・実行委員のうち住民団体が主体となり流域内の企業等にワークショップの趣旨を説明して回り、20 社と多くの企業から協賛をいただいた。
■子ども達が楽しんだ子どもの部交流会
・ステージ発表を行った、次世代を担う子ども達が手作り名刺の交換や水を使ったゲームを通して、交流を行った。

■大好評だった講演(トークセッション)
・タイトル:水辺が人をつなぐ交響事業
・講師:山名清隆氏(ミズベリング・プロジェクト事務局プロデューサー)
   :田中里佳氏(国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 課長補佐)

■盛り上がった交流会
・参加者も260 名を越え、過去最大!

・遠賀川流域内の3 市5 町の首長等も出席
 北九州市長、宮若市長、芦屋町長、水巻町長、遠賀町長、小竹町長、糸田町長、中間市副市長

・最後に、参加者全員で炭坑節を踊り、筑豊を満喫

7.おもてなし
九州各地から参加した方へ、実行委員らが趣向を凝らしたおもてなしを行った。

■総合司会と遠賀川流域の名産の紹介
・総合司会を原口副実行委員長、名産品紹介を松岡実行委員(ともにNPO 法人遠賀川流域住民の会)が担当。
・主に遠賀川上流の名産品の紹介を行い、参加者に振る舞った。

■遠賀川の歌の合唱
・遠賀川の四季や風景を歌った、曲名も「遠賀川」(唄:ハル)を高橋実行委員(直方川づくり交流会)の音頭のもと参加者全員で熱唱。

■炭坑節(筑豊=炭鉱=炭坑節)
・遠賀川の菜の花で染めた着物を着た岩熊実行委員と浴衣を着た坂本実行委員を筆頭とする浴衣組により踊りを先導した。( ともにNPO法人直方川づくりの会)

8.おわりに
最後に、4 月から11 月までの約8 ヶ月間、実行委員会の皆さんと協力して川のワークショップの企画・運営を行ってきた。
このワークショップを機に、4 つの河川協力団体を軸とした団体間の連携が更に強いものになっており、今後もこの方々と協働し、遠賀川をもっといい川にしていきたいと考えている。
このワークショップが大成功に終わったのも日頃は別々に活動している実行委員の方々の「協同の気持ち」と「おもてなしの心」が一つになった賜であり、後援機関、協賛企業、大学生をはじめとするスタッフの方々など関係の皆様には心から感謝申し上げます。

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