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一般国道10号延岡道路について
~宮崎県北地域の発展を目指して~

国土交通省 延岡河川国道事務所
 調査第二課長
肥 川 雄 二

1 はじめに
一般国道10号は,北九州市門司区を起点とし,大分市,延岡市,宮崎市を経由して鹿児島市に至る延長約465kmの九州東部沿岸を縦貫する主要幹線道路であり,沿線地域住民の日常生活はもちろんのこと,地域の商工業や農水産業,観光等の経済活動に大きく貢献しています。
今回,その路線において,宮崎県北地域で事業中の一般国道10号延岡道路について,事業の取り組みと効果について報告いたします。

2 高速交通ネットワークの形成に向けて
一般国道10号延岡道路は,東臼杵郡北川町大字長井を起点に既に自動車専用道路として供用されている延岡南道路に接続し,宮崎県北地方拠点都市地域の骨格を成す道路となり,産業・経済の発展・文化交流等地域開発の促進,地域の活性化はもちろんのこと,将来,東九州自動車道と一体となって,高速交通ネットワークの一部を形成する重要な高規格幹線道路です。

また,熊本方面とのアクセスとして,事業を進めている一般国道218号北方延岡道路と連結することで宮崎・熊本・大分の3方向を結ぶ一体的ネットワークが形成されます。

3 整備と今後の展開
1工区は,用地調査及び用地買収を促進しており,本年7月に初めての工事着手に向けた起工式を行いました。また,2工区は早期効果発現に向け平成17年度供用目標として「ちゃくちゃくプロジェクト2003」において位置づけ,最後の構造物である寺畑第一トンネルに本年9月に着手したところであり,供用に向けて全面展開を図っているところであります。

4 顔の見える道路整備に向けて
延岡道路の事業実施にあたり,調査研究し,総合的な意見集約・調整を図ることにより,環境に配慮した道路整備を進めることを目的に地域住民代表者やマスコミ等による,「延岡道路懇話会」を平成13年度から現在まで計5回開催しています。その中で景観を配慮する「地域の顔としての植栽」などについて現在検討しています。

5 期待される整備効果
(1)物流基地アクセスの向上
現在、整備が進められている東九州自動車道と一体的に機能することにより,九州第3位のコンテナ取扱量を誇る細島港(日向市)から現在の高速ICまでの所要時間約90分が約80分短縮され,10分での行き来が可能となります。物流効率化と共に,市場圏域拡大に役立ちます。
(2)医療サービスの拡大
宮崎県北の唯一の第三次医療機関である県立延岡病院(延岡市)への搬送時間の短縮により,救急救命活動における救命率が大幅に改善されます。

(3)産業の振興
高速交通サービスの利便性向上により,延岡西部大規模複合産業団地「クレアパーク延岡」等の閣発整備計画に貢献し,企業立地が進み工業出荷額の増加が期待できます。
また,雇用機会の増大は居住人口を増加させ,人口の定着を生みます。

(4)日常生活圏の拡大
日帰り可能圏域は大幅に拡大されます。

6 おわりに
宮崎県北地域は,高速道路整備が大きく立ち遅れており,地域交流発展の障害となっている。こうした中で延岡道路は,高速道路形成の礎となる道路であり,地域の人々が大きな期待を寄せられています。今後とも延岡河川国道事務所といたしましても,宮崎県北地域の発展を目指して,高速交通ネットワーク形成に向け鋭意取り組んでいく所存であります。

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