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コンクリート標準示方書施工編―耐久性照査型―改訂の要点
第2回:耐久性照査型示方書の手法

九州共立大学 工学部
 教授
牧 角 龍 憲

前回の講座では,コンクリート構造物の耐久性照査とは,例えば,構造物が100年もつことができる性能とは何かをはっきりと定めて,その性能が100年後でも備わっていることを確かめるという考え方であり,設計および施工の各段階で連携して実施する照査であるということを解説した。
今回の講座では,“性能”という概念でコンクリート標準示方書施工編に新たに取り入れられた考え方およびそれを照査する方法としての,「コンクリート構造物の耐久性照査」,「施工段階におけるひび割れ照査」ならびに「コンクリートの施工性能」について解説する。

1 対象はコンクリート構造物
今回の改訂では,示方書の基本となる2章において,「コンクリートの品質」の表現がなくなり,「2章コンクリート構造物の耐久性照査」に改訂され,「2.1 総則(1)コンクリート構造物が,所要の性能を設計耐用期間にわたり保持することを確認しなければならない。」の条文が示された。この主要な改訂点は,
 ① コンクリート⇒コンクリート構造物
 ② 所要の品質をもつものでなければならない 
   ⇒保持することを確認しなければならない
 ③ 硬化後は⇒設計耐用期間にわたり
の3点であり,対象を材料から構造物とし,品質規定から照査に重点をおき,期間を明確に定めたことに特徴がある。
これは,構造物の種類,設計条件あるいは維持管理条件などによっては,供用期間中に材料としてのコンクリートや補強材の劣化や品質低下が生じたとしても,コンクリート構造物の要求性能が確保されていれば,供用上問題はないという考え方,すなわち,耐久性の目的が構造物の所要性能の確保であって,コンクリートそのものの性能の確保ではないという考え方にたつものである。
従来の示方書の規定は,所定の性能を有するコンクリート構造物を造るためには,所定の品質を有するコンクリートを用いる必要があるという考え方に基づいたものであった。しかしながら,コンクリートの品質が構造物そのものの性能を必ずしも代表するものではないことから,所要の性能,とくに耐久性を有するコンクリート構造物を造るための基本原則を示すようにしたものである。これは,コンクリート構造物の劣化現象や種々の要因が及ぼす影響などについて,有用な研究がこの10年間に数多く報告されてきた結果,コンクリート構造物としての耐久性能に必要な要件がほぼ明らかになり,構造物の性能そのものの確保を定量的に(数値として)規定できるようになったことから可能になったものである。

2 劣化の状況(レベル)の照査
耐久性の目的が構造物の所要性能の確保であるという考え方に基づいて,構造物の劣化の状況(劣化レベル)を耐久性判定の指標として照査する手法が規定されている。すなわち,構造物の設計条件,環境条件や材料の特性値などから求まる設計耐用年数後の劣化レベル(設計値)を,構造物の耐久性を維持するために必要な劣化レベル(限界値)と照査することにより,示方書設計編における断面耐力の照査などと同様に,構造物の耐久性能を照査することにしている。これらの劣化レベルの算出は,近年の劣化に関する数多くの研究成果により可能になったもので,耐久性に影響する因子それぞれについて設計できるようになっている。
また,劣化レベル設計値を算出するために設定されたコンクリートの各因子に対する劣化速度などの性能(特性値)については,配合設計から求まる予測値と照査することにしており,それらを定量的に評価できるシステムも構築されており,施工計画の段階で実施する。
したがって,図ー2に概略を示すように,先ず,設計段階でコンクリートの設定値を用いて構造物の劣化に対する照査を行い,次に施工計画段階において使用するコンクリートの性能照査を行うことになる。
ただし,一般に耐久性の問題として扱われている中性化や塩化物イオンの侵入による鋼材腐食劣化は,コンクリート自体の劣化である凍害や化学的侵食とは本質的に異なる。そのため,前者に対しては構造物における劣化レベルを限界劣化レベルと照査して,後者に対してはコンクリート自体の対劣化抵抗性を照査して,コンクリート構造物の耐久性能を照査することにしている。
すなわち,コンクリート構造物の耐久性に影響を与える因子として,中性化,塩化物イオンの侵入,凍結融解作用,化学的侵食およびアルカリ骨材反応をとりあげ,前二者は鋼材腐食,後三者はコンクリート劣化を対象にするものである。
次節から,それぞれの劣化因子に関する耐久性照査について述べる。

3 中性化に関する照査
コンクリートは,大気中の二酸化炭素の影響によってpHが低下(中性化)するが,この中性化が一般の構造物において問題となるのは,内部鋼材の腐食によって構造物の諸機能が低下することである。したがって,中性化に対するコンクリート構造物の耐久性照査は,供用期間中に生じた中性化によって鋼材に腐食が発生しないレベルを基準にして確認すればよいことになる。すなわち,中性化に関する照査は,『中性化深さの設計値ydに構造物係数γiを乗じた値の鋼材腐食発生限界深さylimに対する比が1.0以下であることを確かめる』として行う。

(3.1) 中性化深さ設計値の算定
コンクリート構造物における中性化深さは供用期間tの平方根にほぼ比例することから,中性化深さの設計値は,環境,コンクリートの中性化速度係数および耐用年数の平方根の関数として算定される。
これに用いるコンクリートの中性化速度係数の設計値は,設計者が任意に設定するコンクリートの中性化速度係数の特性値に,環境作用(乾燥湿潤の影響)およびコンクリートのばらつきを考慮した値である。また,コンクリートの中性化速度係数は水結合材比に比例するとされており,施工計画段階におけるコンクリートの性能照査では,配合設計から求められる予測値を照査することになる。

(3.2) 鋼材腐食発生限界深さの算定
中性化による鋼材の腐食発生は同時に広範囲の鋼材に起こることから,かぶりコンクリートの剥離,剥落が比較的早期に生じ易い。したがって,中性化によって鋼材が腐食しないことを耐久性照査のレベルにする方が,安全側になる。
この鋼材腐食発生と中性化深さとの関係については,中性化深さが鋼材位置に到達する以前から鋼材腐食が開始することが明らかにされている。とくに,鉄筋表面から10mm以内に中性化が到達すると腐食発生確率が非常に高くなることから,中性化残り(鉄筋の純かぶりから中性化深さを差し引いた残りの深さ)を限界レベルの基準とする考え方が用いられている。通常環境下の一般のコンクリート構造物においては,中性化の限界状態として中性化残りが10mmとなる状況を設定している。一方,コンクリート中に塩化物が含まれている場合は,中性化の進行によりセメント水和物に固定化されていた塩化物イオンが解離し,未中性化領域に濃縮するために腐食の開始が早まることになる。このため,塩分環境下では中性化残りが25mmとなる状況を限界としている。

4 塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査
塩化物イオンの侵入に関する構造物の耐久性照査にあたっては,供用期間中に鋼材に腐食を発生させないことが最も安全側になることから,その照査は『鋼材位置における塩化物イオン濃度の設計値Cdに構造物係数γiを乗じた値の鋼材腐食発生限界濃度Climに対する比が1.0以下であることを確かめる』として行う。なお,ここでの塩化物イオン濃度は,液相における実際の塩化物イオン濃度のことではなく,コンクリート単位容積当りの全塩化物量を指している。

(4.1) 塩化物イオン濃度の設計値の算定
鋼材位置における塩化物イオン濃度の算定にあたっては,拡散理論に基づく式を用いるのが一般的であり,フィックの拡散方程式による解をもとに推定してよいことにしている。この解は,かぶり,コンクリート表面における塩化物イオン濃度,拡散係数および耐用年数の関数として表されるが,拡散係数は適当に設定する必要がある。設定した拡散係数の特性値は,コンクリートの拡散係数に関する性能照査によりその妥当性が検討される。また,この解には,一般になじみの薄い誤差関数erf(g)が用いられているが,この関数はパソコンの表計算ソフトExcelやLotusに組み込まれており,計算は容易である。
計算に用いるコンクリート表面の塩化物イオン濃度は,構造物の環境条件(飛沫の有無,海岸からの距離)ごとに一般的な値が示されている。ただし,乾湿繰り返し作用が著しい環境や融氷剤の影響を直接的に受ける構造物では別途適切な値を定めることとしている。

(4.2) 鋼材腐食発生眼界濃度
鋼材腐食発生限界濃度として1.2kg/m3を標準として定めている。この値は,実環境の暴露実験データによる鋼材腐食発生限界塩化物イオン濃度1.2~2.4kg/m3を参考にした値で,促進試験においてはこれより小さな値となる報告もあるが,構造物として問題となる鋼材腐食発生という観点から1.2kg/m3としている。

5 凍結融解作用,化学的侵食,アルカリ骨材反応に関する照査
凍結融解作用,化学的侵食およびアルカリ骨材反応などの劣化作用に対して,今回の示方書改訂では,原則として,コンクリート構造物の諸性能がそれらの作用によって損なわれないことを確認しなければならないことになっている。しかし,これらの劣化作用によるコンクリートの劣化程度が構造物の性能に及ぼす影響を定量的に把握できるまでのデータは,現状では十分に揃っていないため,前章のように,明確な限界状態を設定するには至っていない。ただし,これらの劣化作用においては必ずコンクリートの劣化が先行して生じることから,コンクリートの劣化が顕在化しないことやその劣化が鋼材位置にまで及ばないといった状態を限界状態と考え,構造物のそれらの作用に関する照査をコンクリートの照査に置き換えて行うことにしている。

(5.1) 凍結融解作用に関する照査
凍結融解促進試験においては,開始前と凍結融解繰り返し後におけるコンクリートの動弾性係数の変化,その前後の値の比率を相対動弾性係数という,が耐凍害性の評価指標として多く用いられ,コンクリートの劣化状況との関係についてもデータが蓄積されつつある。
今回の改訂においては,この相対動弾性係数の最小限界値を定めることにより,構造物の凍結融解作用に関する照査を行うことにしている。その限界値は,気象作用が激しく水に接する機会が多い場合の85%から一般環境の場合の60%の範囲内で,構造物の環境条件や形状に応じて示されている。また,これに対応して.コンクリートの性能照査においては.相対動弾性係数の最小限界値を満足する最大水セメント比として,従来の施工編(4.3 水セメント比)に示されていた値を用いてもよいこととしている。

(5.2) 化学的侵食に対する照査
コンクリートの化学的侵食作用は,工業排水,温泉地下水,酸性土壌,廃棄ガス,下水,海水,酸性河川などの酸や塩類等の侵食性物質によって引き起こされ,酸は鋼材のかぶり部分のコンクリートを溶解し,塩類は膨脹ひび割れなどを生じさせる。これらの侵食作用は,侵食性物質の濃度や環境条件によって大きく異なるため,すべての劣化外力に対してコンクリートの耐久性レベルを同一に設定することは非現実的である。したがって,環境劣化外力の強さごとにコンクリートの耐久性能の限界状態を次のように分けて設定している。
(1)侵食作用が穏やかな場合(海洋環境,酸性雨など):原則として,劣化が顕在化しない状況を保持するレベル
(2)侵食作用が非常に厳しい場合(下水道,温泉など):構造物の耐荷性等の性能に影響を及ぼさない程度の劣化レベル
上記の(2)の場合には,かぶりやコンクリートの抵抗性のみで化学的侵食に関する性能を確保することは一般的に難しいが,コンクリートに防食加工(表面被覆,塗装等)を施すことによりその性能を確保することができるとしている。
また,コンクリートの性能照査においては,耐化学的侵食性を確保するための最大水セメント比として,環境条件に応じて従来の施工編(22.3 海洋コンクリート・配合)に示されていた値を用いてもよいこととしている。

(5.3) アルカリ骨材反応に関する照査
アルカリ骨材反応による劣化とは,骨材中のある種の成分とセメントなどに存在するアルカリとが反応して生成物が生じ,これが吸水膨脹してコンクリートにひび割れが生じる現象である。すなわち,アルカリ骨材反応による被害は,反応性骨材の使用,一定量以上のアルカリの存在,外部からの水分供給の三条件が重なったときに初めてひび割れの発生として顕在化する。したがって,アルカリ骨材反応に関する照査においては,この劣化メカニズムをもとに,有害な化学反応が生じない限界状態または化学反応が生じても供用期間中に有害な膨脹が発生しない限界状態を設定して照査するものとしている。
コンクリートの性能照査においては,コンクリートが所要の耐アルカリ骨材反応性を満足するための膨脹率の最大限界値を0.1%に定めて,JCIAAR-3アルカリシリカ反応性判定試験方法の6ヶ月材齢におけるコンクリートの膨脹率と照査することとしている。

(5.4) 水密性の照査
ひび割れおよび継ぎ目が所要の水密性を満足する場合には,構造物の健全部における透水量が所要の値以下であれば構造物の水密性を確保でき,透水量はダルシー則を川いて,コンクリートの透水係数に基づいて評価するとしている。

6 施工段階におけるひび割れ照査
コンクリート構造物の耐久性を検討する場合,ひび割れの有無はそれに大きく影響する要因であり,その照査および制御は重要な技術課題である。とくに,施工段階で有害なひび割れが発生しないことを確認しておけば,設計耐用期間中の性能を確保する上で十分に安心できることは事実である。施工段階に発生する主なひび割れとしては,硬化前に発生する材料分離や急激な乾燥に伴うひび割れ,ならびに水和熱および乾燥に伴うコンクリートの体積変化に起因するひび割れがあるが,硬化前のひび割れについては適切な施工方法で防げるものがほとんどである。一方,体積変化に起因するひび割れにおいては,その発生メカニズムならびに発生限界などがほぼ明らかにされているため,照査を行うことが可能である。ただし,このひび割れ制御には様々な対処が可能であり,配合設計や構造諸元が確定した後でも,施工手順や養生方法などによって制御が可能であることから,施工段階で照査を行うこととしている。

(6.1) セメントの水和に起因するひび割れ照査
セメントの水和に起因するひび割れは,従来の示方書では温度ひび割れのみが対象であったが,近年,低水セメント比のコンクリートにおける自己収縮が明らかになったため,これに伴う体積変化も加味して照査するようになった。
その照査の流れは,図ー8に示すように,基本的には従来の示方書における「温度ひび割れ発生の検討」と同様である。ただし,ひび割れ照査は,ひび割れ指数(引張強度/引張応力)とひび割れ発生危険度に関わる安全係数との比較で行われる。これは,ひび割れ発生確率が予測精度や構造物における強度性状などの影響を受けるため,必ずしもひび割れ指数=1.0の時にひび割れ発生確率が50%にならないことを考慮したものであり,安全係数は値が1.26の時にひび割れ発生確率が50%になるように,従来の温度ひび割れ確率曲線を右にシフトして描いた曲線で与えられている。
また,外部拘束係数については,解析精度の向上に伴って大幅な見直しが行われており,スラブ状構造物,壁状構造物および各リフトそれぞれについて新たな図表が示されている。

(6.2) 乾燥に伴うひび割れの照査
乾燥が主たる原因のコンクリートの体積変化においても,(6.1)と同様に変形が拘束された場合には引張ひずみ,引張応力が生じてひび割れが発生することになる。しかしながら,現状においては,乾燥による水分の移動とそれに伴う応力を,セメントの水和に起因する応力と同程度には予測することが未だできない。したがって,現段階においては,乾燥を主たる原因とするコンクリートの長さ変化率(収縮ひずみ)を,構造物の構造条件,施工条件,環境条件に応じて制限することで,構造物の性能が確保されるとしてよいとしている。

7 コンクリートの施工性能
従来の示方書施工編において,コンクリートの施工性は,「良好なワーカビリティーを有していなければならない』という一条文のみで規定されていた。しかしながら,施工技術や設計法の進展に伴って,コンクリート施工が様々な施工条件,構造条件,環境条件下で行われるようになってきていることや,施工に起因して発生したコンクリート構造物の不具合や欠陥による被害事例が頻発していることなどから,今回の改訂では,コンクリートの施工性を“性能”として明確に定めるようにしたものである。また,コンクリート構造物の耐久性照査をより確実なものにするためにも,照査に用いられるコンクリートの性能が得られるような確実な施工が必要とされることにもよる。
施工性能としては,ワーカビリティーの他に,ポンパビリティー,凝結特性および施工時強度の3項目が新たに取り上げられている。

(7.1) ワーカビリティー
従来の示方書では,スランプ12cm以下を一般としていたが,それ以上のスランプでも材料分離を生じずに良好な施工性が得られることが施工実績で明らかにされてきたため,スランプ標準値を18cmの範囲まで広げている(表ー1)。さらに,過密な配筋状態や複雑な断面形状などの場合には,高流動コンクリートの使用を推奨している。

(7.2) ポンパビリティー
現場内の運搬はコンクリートポンプを用いることが一般的になっていることから,施工性能の一つに取りあげている。その設定を,「一般に,水平管1mあたりの管内圧力損失に水平観山距離を乗じた値がコンクリートポンプの最大理論圧力の80%以下になるようにする』と定めている。
(7.3) 凝結特性
凝結特性は,コンクリートの締固め,打継ぎ,仕上げ,脱枠に関連するもので,一般の施工では,始発時間5~7時間,終結時間6~10時間の範囲を目安として定めている。
(7.4) 施工時強度
従来の示方書施工編において,型枠支保工の取り外しに必要な強度として解説に示していた値を,今回の改訂で本文中に明記している。

8 コンクリート構造物の性能の実態
  一ある既設構造物調査の試みと提案一
前章まで,“コンクリート構造物の性能”という考え方を基本にして,耐久性を照査する手法について解説してきた。これらの手法は設計施工段階で用いられるものであり,造る時点で長期間経た後の状態を予測して照査するものである。ただし,それらの予測は主に実験室内のコンクリート供試体を用いた促進試験による結果に基づくもので,実際に数十年の長い時間を経たコンクリート構造物のデータによるものは未だ少ないということを認識しておく必要がある。
長い時間を経過した後のコンクリート構造物の性能を把握するために,今から試験を開始したのでは,結果がでるのが数十年先の話になってしまい,何のために試験しているのか分からなくなってしまう。一方,維持管理の時代といわれる今日、長期間供用されてきたコンクリート構造物は膨大な量に上るという現実がある。これを活用しない手はないのである!
例えば,河川改修や拡幅あるいは寿命により架け替えられるコンクリート道路橋の場合,供用中では困難であった様々な調査を架かったままの状態で行うことができ,解体桁を取り出しての載荷試験により構造物としての耐荷性能の検証や,人間の解剖と同様に必要な場所を解体することで劣化の分析や非破壊診断の検証などが行える非常に有用な試験体となる。さらには長い年月を経たコンクリート構造物として貴重なデータを与えることは言うまでもない。
現在、著者が属する産官学の研究グループで,ある架け替えられる橋梁を対象にして,道路管理者の多大な協力を得ながら調査を実施している。架け替え事業が主体であるため,工事工程や費用の制約は大きいが,ボランティアで精力的に活動している。維持管理の時代を迎えるにあたり,公共施設の管理に携わることが多い読者諸兄には,是非積極的に取組んでいただきたいと願う。
次回の最終講座においては,照査されたコンクリート構造物を実現するための「施工計画」と確認するための「検査」について解説するとともに.今回の改訂に準じた試設計について紹介する。

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