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「九州建設技術フォーラム2005 in福岡」開催される

国土交通省 九州地方整備局
 下関港湾空港技術調査事務所
 総務課 管財係長
清 水 保 博

1.はじめに
「九州建設技術フォーラム2005 in福岡」(C.A.G.Forum2005)が10月26日,27日の両日,アクロス福岡(福岡市中央区天神)で開催され,延べ約3,000人に参加していただきました。
「フェア」形式から「フォーラム」形式に変えての2年目の開催となります。
一昨年までは,「九州建設技術フェア」として民間企業・団体の技術展示を中心に開催しており,「情報発信について偏っているのではないか?新技術の活用・普及につながっているのだろうか?」という反省から,昨年から産学官それぞれが新技術の開発・活用の取り組みについて情報を発信し,産学官で意見交換を行う「フォーラム」形式に変わりました。

第2回目となる今年のフォーラムで,は昨年の「新技術の開発・活用・普及の推進にはシーズ・ニーズの情報交換が不可欠であるとの産学官の共通認識」に立脚して,さらなる情報交換の促進のもと,建設分野以外の異分野との連携も必要だとの認識のもとでの開催となりました。
以下,本年度のフォーラムの内容の一部をご紹介します。

2.オープニングセレモニー
芦田義則 九州建設技術フォーラム実行委員長(九州地方整備局 企画部長)の開会宣言に続きまして,来賓の国土交通省総合政策局建設施工企画課長 村松敏光様,福岡副市長 山野宏様より,ご挨拶の祝辞を頂きました。

3.講 演
3-1 特別講演
10月26日10:00~10:50に国際会議場において,「これからの社会資本整備技術と産学官の役割」と題して,小松利光様(九州大学工学研究院教授)から特別講演をいただきました。「公共事業の縮小がすすむ中,都市部はもとより過疎化が進む地方や中・山間地における防災力,復興力を維持し,地域に安全・安心を確保するためには,新たな理念に基づいた社会基盤の整備,地域建設業の存続が絶対に必要であること。」,「少子高齢・省エネルギー社会を迎えるなかで,世界のモデルになるような人間回帰社会づくりの公共事業の構築に向けて,産学官が何をなすべきか」等についてご講演をいただきました。

3-2 基調講演1
10月26日13:00~13:50に国際会議場において,「産学官連携による地域経済の活性化」と題して,内藤理様(経済産業省九州経済産業局地域経済部長)より「九州経済産業局が推進している「地域新生コンソーシアム研究開発」,「産業クライスター計画」,「TLO(大学等技術移転機関)支援」及び「九州地域産学官交流センター」等の産学官連携を活用した支援策について」建設産業の施策活用事例を含めてご講演をいただきました。

3-3 基調講演2
10月27日10:00~10:50に国際会議場において,「産学官連携による技術活用システムの再編・強化」と題して,七條牧生様(国土交通省技術調査課環境安全技術調整官)より「平成13年度に構築した新技術活用システムの内容とその後再編・強化に至った背景・考え方」,「再編・強化後の新たな新技術活用システムの具体的内容」,「再編・強化後に明らかになった課題や新技術の活用促進に向けてさらに改善していくべき課題等について整理したこと」,「産官学が連携した新技術の活用事例や技術研究開発の今後の方向性」などについてご講演をいただきました。

4.意見交換
特別講演,基調講演を受けて,2つの分科会と分科会報告会が行われ,産学官の間で意見の交換を行いました。
なお,本文中の敬称は省略させていただきます。

4-1 分科会1
日時:10月27日11:00~12:20
「産学官連携による新技術開発」をテーマに,新技術の開発について,それぞれが取り組んできた事例を紹介しながら,良質な社会資本整備の確保につながる技術開発に参画しやすい環境作りについて,また,産学官の連携による開発技術の実用化について,経済産業省が進めている異分野との連携についての紹介や提言を受けて,今後の課題などについて討論しました。

座長
芦田義則 九州地方整備局企画部長
パネリスト
上村欣久 経済産業省九州経済産業局産業部中小企業新連携担当参事官
林 重徳 佐賀大学教授
星隈順一 九州地方整備局長崎河川国道事務所長
林健太郎 五洋建設株式会社本社企画部長
渡辺泰充 清水建設株式会社土木技術本部長

4-2 分科会2
日時:10月27日12:30~13:50
「産学官連携による新技術の活用方策」をテーマに,新技術の活用(採用)が遅々と進まない現状について,それぞれの立場から隘路分析と「NETIS」活用システムの課題も含んで貴重な提言がなされました。

座長
佐竹正行 (社)九州建設技術管理協会顧問
パネリスト
日野伸一 九州大学工学研究院教授
箱石憲昭 独立行政法人土木研究所上席研究員
吉田秀樹 九州地方整備局
    下関港湾空港技術調査事務所長
吉原 匠 九州地方整備局九州技術事務所長
浜武 章 株式会社テノックス開発部長

4-3 分科会報告会
日時:10月27日16:00~17:00
「分科会報告及び会場を交えた討論会」と題して,第1・第2分科会司会者から,それぞれの分科会の報告及び産学官のパネリストからの補足説明がされた後,会場からの質問要望を受けての討論となりました。
産からは「中小企業でも参画しやすい総合評価方式の登録手続の簡素化」「総合評価方式による技術評価基準の明確化の開示」について要望を受けましたが,「技術開発と活用のためにNETIS及び技術評価制度という制度が取り入れられたので,皆さんの御意見を頂きながら,さらにその制度を発展させること,そしてフォーラムの成果が生かされて産学官の連携を促進させること」を再確認しました。

司会
芦田義則 九州地方整備局企画部長
パネリスト
佐竹正行 (社)九州建設技術管理協会顧問
渡辺泰充 清水建設株式会社土木技術本部長
日野伸一 九州大学工学研究院教授
高木章次 九州地方整備局企画部技術調整管理官

5.情報発信
5-1 プレゼンテーション
「安全」「環境」「コスト」「国際競争力」「IT」「各県別開発事例」の6つのテーマにそって,10月26日11:00~17:00,10月27日14:00~16:00の間で,「産」78議題,「学」16議題,「官」23議題,計117議題が発表されました。
発表時間10分,質問時間5分という短時間ではありましたが,新技術及び新技術等に対する考察等について発表者と聴講者の間で活発な意見交換が行われ,特に「IT」のテーマは,入場者が多く立ち見が出るほどの盛況でした。
参考:「安全」26議題,「環境」45議題,「コスト」32議題,「国際競争力」1議題,「IT」8議題,「各県別開発事例」5議題

5-2 ポスターセッション
フォーラム2日間「産」は地下2階イベントホール,官は4階国際会議場前のロビーで,ポスター及びパネルの展示が行われました。
産の展示場では,「安全」「環境」「コスト」「国際競争力」「IT」のテーマ毎に区分され117もの新技術が,パソコンや模型も使って説明されました。2日間で,延べ約2,200人もの方が入場され,活発に情報交換が行われました。
参考:「安全」22件,「環境」52件,「コスト」33件,「国際競争力」1件,「IT」9件
また,官の展示では,「新技術活用コーナー」「防災コーナー」が設置され,下関港湾空港技術事務所と九州技術事務所が取り組んでいる新技術やNETISについて説明したパネルや,今年九州を襲った福岡県西方沖地震及び台風14号の被災状況及び災害支援に関するパネルを展示し,参加者の関心を引きました。

5-3 新技術相談コーナー
10月26日10:00~17:00,10月27日10:00~12:00の間,九州地方整備局下関港湾空港技術事務所及び九州技術事務所職員が新技術のNETIS登録に関して,その評価試行方式の申請手続について相談を受け付けました。

6.おわりに
「九州の建設技術における産・学・官連携の推進」をテーマに開催しました本年のフォーラムですが,参加者皆さまの御協力及び熱意により無事に,そして盛況のうちに終えることが出来ました。紙面を借りまして厚く御礼申し上げます。
※なお,講演者分科会パネリスト等の発言内容については「フォーラム開催報告」としてフォーラム公式ホームページでご紹介していますので,是非一度,ご覧下さい。
http://www.cag-forum.com/

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