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平成25 年7月山口・島根豪雨における 九州地方整備局TEC-FORCE の活動について
白川逸喜

キーワード:TEC-FORCE(テックフォース)、被災状況調査、自治体支援

1.はじめに

国土交通省は、大規模な自然災害に際して被災状況の把握や被災地方自治体の支援を行い、被災地の早期復旧のための技術的支援を迅速に実施するため、平成20 年4 月に「緊急災害対策派遣隊(TEC-FORCE)」を創設した。
さらに、平成24 年5 月には全国からのTECFORCEの迅速な派遣や、それぞれの派遣隊の組織を超えた被災地での統合的な運用などが可能となるよう、被災地での指揮監督権を現地の地方整備局長等に集約するなどTEC-FORCE の指揮命令系統の明確化を図るなどの更なる体制強化を図ってきた。
そのような中、本年7 月に山口・島根豪雨災害の発生に伴い九州地方整備局からも「緊急災害対策派遣隊(以下「九州TEC」という)」を派遣し、災害調査を実施したことからその活動状況等を報告する。

2.平成 25 年 7 月山口・島根豪雨の発生

7 月28 日を中心し、停滞前線の活動により山口県北東部及び島根県西部に発達した雨雲が次々と流れ込み猛烈な雨となった。山口県萩市須佐では図ー1のとおり3 時間雨量が301.5 ミリ、山口市阿東徳佐においても3 時間雨量157.5 ミリと、観測史上最大の雨量を記録した。これにより山口・島根両県では死者・行方不明者4 名、全壊家屋49 棟、半壊家屋72 棟、床上浸水766 棟、床下浸水1,156 棟などの被害(山口県、島根県ホームページより)が発生した。
山口県萩市及び島根県津和野町においても、一般国道191 号(直轄国道)の他、県・市管理の河川、道路等で多くの被害が発生したことから、九州TEC が派遣され、280 カ所以上の被害調査を実施した(図ー2. 写真ー1. 表ー1. 参照)。その活動のうち、第1 陣が主な活動箇所とした山口県萩市田万川総合事務所内の活動内容及び結果を報告する。

3.活動状況

九州TEC は災害発生の翌日である7 月29 日から第1 陣36 名が山口市に向け出発した。山口河川国道事務所及び山口県庁での被災状況等の説明を受け、翌日から本格的に現地調査を開始した。
現場となった萩市田万川総合事務所管内では、公共施設被害は勿論のこと、家屋の流出や浸水や被害、それらに伴う断水が至る所で発生しており、市職員は被災住民の生活の確保を第一にライフラインの早期復旧に奔走していたことから、管内でどの様な被害が発生しているかも把握できていない状況であった。そこで、我々は「まず、現場で何が起こっているか!その概要をいかに早く把握するか!」に重点をおき、現地調査に入った。一方、被災の状況が徐々に明らかになってくると、自治体からは災害復旧事業を見据えた「具体的な復旧工法と概算工事費」の要望が出された。特に被災を受けた市役所の支所に当たる当該事務所では、少ない職員で被災住民の当面の生活対応に追われており、さらに土木技術者もほとんど居ないなど、困難な状況下にあった。そこでTEC 隊員は、昼間は現地調査、夜はその情報を元に復旧工法の検討と概算費の算出作業というハードな作業を連日行った。その結果、第2 陣も含めた8 日間で河川関係では14 河川133 カ所、道路関係では106 路線を調査し、うち小規模被災を除く88 カ所の合計221 カ所の被災状況調査及び復旧工法の検討、概算費用の算出を完了させた(写真ー2~4. 図ー3. 参照)。

 調査中は、地元住民の方々からの情報収集も行い復旧工法の参考としたり、時には市から応急復旧の相談を受けたりと、地域及び関係自治体とのコミュニケーションを重視しながら作業にあたった(写真ー5~6. 参照)。

4.終わりに

今回、特に第1 陣は萩市の支所に相当する田万川総合事務所管内を中心に調査し、また多くの時間を当該事務所技術職員と共に過ごした中で、自治体、さらに出先の支所においては、技術系職員が不足し、さらに災害を経験したことの無い方々が多数を占めているという現実の中で、被災住民の生活の確保に奔走する一方で、技術系職員に求められる公共施設災害の情報収集や復旧対応が迫られ、日々苦悩されている実情を実感させられた。このような中、真夏の現地調査、その後は復旧工法検討とハードな作業に耐えられたのも、TEC 隊員それぞれが同じ技術者として「我々のノ
ウハウが被災地の力になる!」との思いであったものと振り返られる。
最後に、今回の災害復旧支援において、ご協力頂いた中国地方整備局の方々を含め、災害対応の中で気配りを頂いた萩市田万川総合事務所の皆様方に深く感謝を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。

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