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地域に活力をもたらす社会資本整備

~鹿児島県のストック効果~

九 万 田 伸 一


キーワード:南九州西回り自動車道、志布志港、港湾と道路の連携

1.はじめに
鹿児島県では、本県の産業・経済の着実な振興に寄与する事業及び甚大な被害をもたらす災害から県民の安心・安全な生活を確保するための事業を「重点事業」と位置づけ、集中的な整備に努めているところです。
また、現在策定中の「鹿児島県まち・ひと・しごと創生総合戦略(仮称)」においても「地域に活力をもたらす社会資本の整備」を推進していくこととしています。


2.南九州西回り自動車道へ膨らむ期待
南九州西回り自動車道では、平成17年3月の串木野IC ~市来IC間の供用を皮切りに、平成27年3月までに鹿児島市から薩摩川内水引IC間の約46㎞が供用されています(図-1)。

南九州西回り自動車道の延伸に伴って、薩摩川内市では、平成18年度から平成26年度までの9年間に新たに進出した企業は、22社に及び、観光入込客数については、約2倍の伸びを示しています(図-2,3)。

また、南九州西回り自動車道に近接している重要港湾川内港については、韓国へのコンテナ取扱量が、平成17年度から平成26年度までの10年間で4.5倍に増加しました。
このことは、南九州西回り自動車道の延伸に伴って、川内港の集配エリアが、確実に拡大し、広域的な物流ネットワークが形成されつつあることを示しています(図-4)。

南九州西回り自動車道が、物流の効率性を一気に高め、企業誘致や地域間交流を増大させ、地域の活性化や雇用機会の増加を促すなど、地域にもたらす経済効果は、絶大なものがあります。
平成27年4月には、当路線唯一の未事業化区間であった阿久根IC ~薩摩川内水引IC間が新規採択され、全線にわたり事業が展開されています。
今後、早期にミッシングリンクが解消され、県全域へ大きな経済効果(ストック効果)がもたらされることが期待されています。


3.港湾整備と高速道路ネットワークの連携
志布志港は、鹿児島県の東部に位置し、太平洋に面し、東アジアや東南アジアに近いという地理的な優位性を有しています。
本港は、昭和44年に重要港湾の指定を受け、これまで外港地区、若浜地区、新若浜地区の整備が進められてきました。
若浜地区では、大型穀物船により飼料原料が輸入され、サイロや大規模配合飼料工場等による飼料コンビナートが形成されています(写真-1)。

外港地区は、当初はコンテナ取り扱い埠頭として使用されましたが、貨物量の増加に伴い手狭になったことから、新たに新若浜地区にコンテナを取り扱う国際物流ターミナルが整備されました。
新若浜地区では、現在、台湾航路が週2便、韓国航路が6便、中国航路が2便、国際フィーダー航路(神戸)が3便就航しています(写真-2)。

木材輸出については、南九州地域の豊富な杉やヒノキなどの森林資源を背景に潜在的な需要はありましたが、仮置きヤードの不足により十分な対応ができない状況でした。しかし、コンテナヤードが外港地区から新若浜地区へ移転したことにより、外港地区を木材輸出用の埠頭として活用することにしました(写真-3)。

志布志港と連携して物流機能を担う東九州自動車道は、これまで九州縦貫自動車道の加治木JCTから鹿屋串良JCTまでが供用されており、残る志布志までの19㎞については、鋭意整備中です。
また、宮崎自動車道都城ICと志布志港を結ぶ地域高規格道路の都城志布志道路は、全線40㎞のうち13㎞が供用され、残る区間全てで工事が実施されているところです(図-5)。

これらの高速道路ネットワークの整備の進捗に伴って国際コンテナの取扱量は、ここ15年間で約30倍と急激に伸びてきました(図-6)。

また、木材輸出については、中国・韓国・台湾が主な輸出先であり、平成21年から約20倍に伸び、5年連続で木材輸出全国一位になっています(図-7)。

鹿児島県の大隅半島をはじめ南九州一帯では、畜産が盛んに営まれており、先に述べましたように志布志港は畜産業を支える飼料供給基地として重要な役割を担っています。
このようなことから、平成23年5月には、国際バルク戦略港湾(穀物)に選定されました。
平成28年に予定されるパナマ運河の拡張により、船の大型化が進むことが予想され、国際バルク戦略港湾としての整備を進めることで、更なる産業振興と地域の活性化が期待されています。


4.おわりに
今後の社会資本の整備については、少子高齢化や人口減少等の社会構造の変化を踏まえ、選択と集中の下、ストック効果が最大限に発揮されるよう重点化した取組を進める必要があります。
本県においては、「陸海空の交通ネットワークの構築」及び、「県民の生活と暮らしを守る安全な郷土づくり」を柱として、メリハリをつけた社会資本の整備に努め、ストック効果が早期に発現するよう取り組んでまいります。
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